JICAが自らのブラジルでのセラード開発プロジェクトについて書いた本。
セラード開発について調べたい際には、よくまとまっているので参考になる。
技術協力の成功例についてのシリーズの一環なので、プロパガンダ的な書き方であることは想定の範囲内であったが、
このプロジェクトの問題点についての記述がほとん
...続きを読むどない、もしくは書かれても濁されているようであるのは残念だった。
あとがきにはセラード批判への違和感が述べられ、事実誤認だとしているが、
なぜそう言えるのかの説明はほとんどない。
また、セラードの生態系破壊については文中で触れられているが、畑地面積は少ないということと軽減のための環境対策について述べられているのみであり、これは「セラードにおける環境破壊の要因となっている」を否定しきれるものではない。
これだけ大きなプロジェクトであるから、
失敗点や問題点は色々とあったはずだが、
それらに対しても真摯に向き合い検証した結果を記述してほしかったと感じた。
まあ、このプロジェクトをモザンビークに転移したものが行われている最中なので、
あまり余計なことは言えないのだと思うが…。