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  • 茶の世界史:中国の霊薬から世界の飲み物へ
    4.0
    1巻3,168円 (税込)
    ポスト・コロニアルな問題意識とお茶への愛とに裏打ちされた、豊穣な東西文化史。 第一部「東から」は古代中国における茶の起源に始まり、唐代以降の喫茶文化の興隆、日本への伝播と茶の湯の誕生までをたどる。第二部「西へ」は西欧列強のアジア進出から西欧への茶の紹介、イギリスにおける茶貿易の赤字解消が発端となったアヘン戦争、植民地インドでの茶の栽培などを描く。東西文化の遭遇と対立、とくに西欧によるアジアの収奪が、茶文化と茶経済の変容をとおして語られる。第三部では、茶にまつわる話題が小気味よく紹介され、茶の木の発見、ティーバッグやアイスティーの誕生の逸話、茶の種類や、水の重要性などがとりあげられる。最後の第四部では、表題「茶の現在――人々と地球」が表わすとおり、植民地主義によって始まった、商行為における不公正の問題にどう取り組むべきか、茶プランテーションの化学農業によって死んでしまった土壌をどうすべきか、といった今日的な問題に焦点があてられる。 われわれに親しみのある飲み物の歴史が豊富な資料をもとに詳述されており、まずはお茶を淹れて、じっくり繙きたい1冊。
  • 茶の世界史:中国の霊薬から世界の飲み物へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    茶をめぐり、東西で展開した異なった歴史を見渡せる好著。
    第一部では、『茶経』について、「道教の教え、そして儀式の調和に重きをおく儒教の教えに結びつけることに成功した」としている点は面白いと感じた。
    第二部では、茶という飲み物が西洋世界にもたらされたことによって展開されたその後の歴史を、社会史、経済史、国際関係史的視点から多角的に取り上げ、第四部は、茶をめぐる今日の課題や未来への展望、第二部とも繋がり、また、読者側からは、茶をめぐる問題にとどまらない、昨今世界各地で起こっている様々な問題とも思い合わされて重い内容をもっている。
    本の分厚さは、あまり苦にならず、最後まで読み通すことができた。

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    2022年06月26日

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