作品一覧
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-ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた傑作。 象は、大勢に拍手され、見物され、あっという間に忘れられるんです。それが人生というものです。 ノーベル賞作家サラマーゴが最晩年に遺した、史実に基づく愛と皮肉なユーモアに満ちた傑作。 【目次】 象の旅 訳者あとがき 【著者】 ジョゼ・サラマーゴ 1922年、ポルトガルの小村アジニャガに生まれる。様々な職業を経てジャーナリストとなり50代半ばで作家に転身。『修道院回想録』(82)、『リカルド・レイスの死の年』(84)、『白の闇』(95)で高い評価を得て、98年にノーベル文学賞を受賞。ほかに『あらゆる名前』(97)、『複製された男』(2002)など。2010年没。 木下眞穂 上智大学ポルトガル語学科卒。ポルトガル語翻訳家。訳書に『ブリーダ』(パウロ・コエーリョ)、『忘却についての一般論』(ジョゼ・エドゥアルド・アグアルーザ)、『エルサレム』(ゴンサロ・M・タヴァレス)など。『ガルヴェイアスの犬』(ジョゼ・ルイス・ペイショット)で2019年に第5回日本翻訳大賞を受賞。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
ネタバレ初作家。この作品の成功により、ノーベル文学賞を受賞。人間とは、個人と文明について、善悪とは・・・etc。あらゆる物事を全人類(ほぼ)失明という事象を用いて寓話的に淡々と、時に神の視点を挟みながら記された天から人類に齎された(——作者曰く、突然"全人類が失明したらどうなるのか"という…)書物ではなかろうか。作中一切キャラクタ名が出て来ず『医者の妻』『サングラスの娘』『黒い眼帯の老人』…等、眼が見えない世界では名前など不要ですものね。また台詞には「」が使用されておらず、最初は誰が言葉を発しているかわからず、大変読みづらい。しかし二つの事柄を合わせて考えてみると、読者をよりこの世界に取り込む(→読者
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Posted by ブクログ
ネタバレある日突然、失明が伝染していく。視界が白の闇に包まれる。
失明も怖いけれど、全ての人が盲目になった世界で一人だけ目が見えているというのも壮絶です。
何も見えない世界で理性を保てるのは、その人自身の理性なのか、やっぱり「彼女には見えている」という“見られている”意識なのか……。
一人だけ失明しない人物である医師の妻は、支援と介護とのプレッシャーも、目の当たりにしている悲惨な世界のストレスも、自分の目もいつか見えなくなるかもしれないという恐怖もかなり強かっただろうと思います。ラストの不穏さも印象に残ります。
地の文と会話文の区別がつけられてない文章で、会話も何人もいるけど誰がどの発言をしているかも -
Posted by ブクログ
ネタバレわたしたちは目が見えなくなったんじゃない。わたしたちは目が見えないのよ。目が見える、目の見えない人びと。でも、見ていない。
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暗い作品の得意な私でも読むのに少々骨が折れた作品だった。読んで、考えて、手が止まる。とても面白く、そして恐ろしい作品。現在のパンデミック下で、状況は違えど同じようなことが起こっている。得体の知れない脅威と背中合わせの生活。いつまで続くかわからない、まさに「闇」だ。
ある時突然視力を失った男。
男を助けたあと男の車を盗んだ車泥棒。最初に失明した男の妻。眼医者の診療所にいたサングラスの娘、斜視の少年、白内障で眼帯をつけた老人。次々と失明していく。失明した人々の視界