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  • ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録

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    先日、希釈した汚染水を福島県沖に流すことを決定、との報道があり、あらためて福島第一原発をとりまく状況を知りたいと思い読み始めた。

    9年の歳月をかけ、作業員の人々の人生を追うように、丁寧に取材を重ねている一冊。
    それぞれが、何を思って事故処理に携わり始めたのかから始まり、限界に近づく線量に怯えながら続ける危険な労働、離れて暮らす家族との軋轢やすれ違いなど、報道だけでは見えてこない現場の真実をえがく。
    特に恐ろしく感じたのは、政府や東電の計画通りにことが進むことを最優先したために、到底間に合わないようなスケジュールが組まれ、作業員の心身をすり減らすことで成り立つ悲惨な労働環境になっていること。

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    2021年08月27日
  • ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録

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    作業員。と大文字で括られるがそれぞれが1人の人間でそれぞれの考えや生活がある、ということを思い出させてくれた。それ故に個人個人の志や思いを知ると感銘を受けたし、その分ちゃんと向き合った対応をしているのだろうか?と感情がささくれだってしまう

    時と共に報道が減り、実際現状はどうなのか?
    これからどのように廃炉に向けて進んで行くのか?

    そういった情報を積極的に取りにいってなかった自分にはとても勉強会になったし、改めて原発という物を考えるテキストとしても読めた

    本当に読んで良かった

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    2021年05月31日
  • ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    片山さんがフクイチで働く人たちとまさに人と人との付き合いを9年してきたからこそ彼らのそれぞれの思いや現場での過酷な状況、日常を知ることが出来た。
    高い数値を示す場所にロボットが入ったりするニュースは知るけど最終的にはそこへ運ぶのは人。
    それなのにそこで働く人たちが全く見えていなかったことに気付かされた。
    それなのに労災以外は何の補償もないなんて…
    どこが復興五輪なんだろうかとリレーが始まった今、つくづく感じる。
    これからチェルノブイリのように後々どんどん被害が出てきた時に廃炉作業をする人がいるのか。
    そしてこの事故を教訓にするために再稼働はあり得ないと改めて感じた。

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    2021年03月30日
  • ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録

    Posted by ブクログ

    東日本大震災で爆発、崩壊した放射線まみれの福島原発の撤収作業に携わる作業員たちを著者は9年間にわたって取材する。

    放射線を防ぐため、真夏でも防護服を着用し、暑くなる時間帯をさけて未明からの始業開始。被ばくを抑えるため、限られた時間での作業を強いられる。多重下請現場のため、責任者が不明で、賃金格差も大きい。そして、危険箇所や事故の情報を隠す政府や東京電力。作業員の労働環境は過酷すぎる。

    また、作業員は常に線量計を身につけ、被ばく線量値が一定量を超えると、作業ができなくなり、次の仕事がなければ解雇だ。そのため、線量計をわざと忘れたり、鉛で覆うことで数値をごまかそうとする者もいる。

    有期労働契

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    2021年03月09日
  • ふくしま原発作業員日誌 イチエフの真実、9年間の記録

    Posted by ブクログ

    先日の報道で、汚染水の海洋排水が決まり
    ましたね。
    「え?まだそんな状況だったの?」と驚く人
    は多いと思います。

    そうです。ふくしま原発は当初の危機は脱して
    いますが、基本的には何も変わっていないのです。

    「イチエフ」と呼ばれる福島第一原子力発電所で
    事故後の復旧作業を行う作業員の目にしたものを
    まとめたドキュメンタリーです。

    事故当時、ほとんど日本では報道されなかった
    「フクシマフィフティ」は門田隆将氏の「死の
    淵を見た男で」紹介されて、これが映画になった
    ことによって日本人もようやくこの真実に気づく
    ことができました。

    しかしこの本で紹介されている人たちも間違いな
    く「死の淵」で闘

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    2020年10月19日

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