作品一覧 2024/02/22更新 物語,英語で読んでみない? 試し読み フォロー 〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 佐藤和哉の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 物語,英語で読んでみない? 佐藤和哉 物語の文の後に、解りやすい解説が付いていて、英語を読めた気になれました。面白い!英語が親しみやすくなるオススメです。 Posted by ブクログ 〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ 佐藤和哉 刊行日2022/02/18 「ロビンソン、アリス、プーさんにナルニア……おなじみの名作たちは、本当は何を語っている? 「作者の言いたかったこと」と同じくらい、「作者が言おうとしたわけではないこと」もおしゃべりかもしれない。本のページは冒険の扉、言葉や文は未知の森。あの物語を「いま」のあなたが読む意味...続きを読むとおもしろさ、体験してみませんか。」 感想: ★★★★★めっちゃよかった! ノートの読書メモがメモでいっぱいになりました^^ 若い人向けに書かれているのだおばちゃんにも読みやすく 笑、ああこんな読み方もあるんだと世界が広がった。「はじめに」をぜひ読んでください。 メモ:(「はじめに」より) ・学校の国語の授業では「この作品で作者は何を言おうとしているのか」という問いが設定されることが多い。しかし、もしも「読む」という営みが「作者の意図」という「正解」を探す作業だとすると、正解がわかればそれでおしまい、なんかつまんなくないか。 ・この本では、作品の解説というよりも、「物語ってこういう読み方もできるんじゃない?」という「提案」がメインである。 3つの視点で、少し異なる読み方を提案する。 ●視点①「物語がどのように語られているか」という観点。→語り手がどのように物語を語るか ●視点②「その作品を歴史的な背景において考える」 ・・作品が書かれた時代の経済・政治の状態、ある社会で広く信じられている「思い込み=イデオロギー」やものの考え方・感じ方が作者の意図とは無関係に作品にまぎれこんでいる可能性を踏まえて作品を読み直す ●視点③「読者であるみなさんがこれから生きていく社会のなかで、それらの作品とその読み方がどういう意味を持つか」 ・・何十年、何百年も前に書かれた作品を、今読むことにどんな意味があるのか。 もくじ: はじめに 第1章 マザー・グース――「子ども」の発見と「笑い」への招待 〈コラム〉 マザー・グースの翻訳について 「ブックガイド:岩波少年文庫『よりぬきマザーグース』、谷川俊太郎訳のほぼ全てを収めているのが『マザー・グース1-4』講談社文庫。北原白秋の『まざあ・ぐうず』は青空文庫で読める。その他、マザー・グースいついては多くの絵本が出版されている。」 第2章 『ロビンソン・クルーソー』――奴隷の海とヤギの島 〈コラム〉 『ロビンソン・クルーソー』の影響を受けた作品 「ブックガイド:岩波少年文庫『ロビンソン・クルーソー』(海保眞夫訳)がある。下巻は訳文の文体が重圧なため、若い読者には読みにくいと感じるかも。、中央文庫(増田義郎訳)、河出文庫(武田将明訳)はそれぞれ特徴があり詳しい解説もとても勉強になる。」 第3章 『クリスマス・キャロル』――クリスマスの音色と社会の不正義 〈コラム〉 何を食べるか、誰と食べるか 「ブックガイド:岩波少年文庫の脇朋子訳がある。改訳で読みやすくなった新潮文庫の村岡花子訳、村岡美枝、村岡恵理補訳はとくに文章が綺麗。ちくま文庫の小池滋・村岡昌家訳では落語のような調子でこの物語が語られている。」 第4章 『不思議の国のアリス』――ウサギの時間と帽子屋の時間 〈コラム〉 『アリス』にみるアジア 「ブックガイド:岩波少年文庫は脇朋子訳。英語の言葉遊びまで面白く読める訳となると、角川文庫・角川つばさ文庫(河合祥一郎訳)か、ちくま文庫(柳瀬尚紀訳)だろう。角川版の「訳者あとがき」は、作中の歌の楽譜が載っているなど工夫が凝らされている。」 第5章 『クマのプーさん』――ぬいぐるみのクマと戦場の「穴」 〈コラム〉 クリストファー・ロビンの島 「ブックガイド:岩波少年文庫は石井桃子訳。新潮文庫『ウィニー・ザ・ぷー』(阿川佐和子訳)角川文庫「クマのプー」)森絵都訳)は現代の感覚で訳されている。言葉選びの五感を的確にとらえているのは石井桃子訳だろう。」 第6章 『ライオンと魔女』――善なる子どもたちとさすらう獣 〈コラム〉 『ライオンと魔女』のユーモア 「ブックガイド:岩波少年文庫に瀬田貞二訳がある。光文社古典新訳文庫『ライオンと魔女と意匠ダンス ナルニア国物語2』(土屋京子訳)・角川文庫(と角川つばさ文庫)の『新訳ナルニア国物語1 ライオンと魔女と洋服だんす』(河合祥一郎訳)につけられている解説はそれぞれ作品を読む上で参考になる。」 第7章 『第九軍団のワシ』――壊れた夢の修復と「故郷」の発見 〈コラム〉 「帝国」を支える装置としての言語 「ブックガイド:岩波少年文庫は猪熊葉子訳がある。2022年現在、これ以外の訳は出版されていない。」 ブックガイド ・阿部公彦『英文学教授が教えたがる名作の英語』文藝春秋 2021 「阿部さんは英文学教授だが、これはとっつきにくい本ではない。とりあえず日本語の解説だけを読んでも、すごく理解が深まりますがそのあとで、詳しい注と解説を頼りにぜひ英文にも挑戦してみて。」 ・内田樹『寝ながら学べる構造主義』文春新書 2002 「構造主義は最新流行の思想ではないが、文化や言語、社会についてのいろいろな考え方の元祖。知っておいて損はない。」 ・柴田元幸『アメリカ文学のレッスン』講談社現代新書 2000年 「身近なテーマを切り口に、アメリカ文学を見つめ直した本。本文ではアメリカ文学は扱わなかったが、外国の、そして英語の文学に対する態度という点では共通するところがある。古今の名作を訳している柴田さんは同時に名エッセイストでもあり、この本でも文章の巧みさに引き込まれる。」 ・津野田興一『世界史読書案内』岩波ジュニア新書2010 「著者は高校の歴史の先生。生徒にいろいろな歴史の本を紹介したプリントがもとになってこの本がうまれたそう。紹介されている本は90冊を超え、現代の歴史家による歴史叙述もあれば小説・エッセイ・コミックもある!」 ・日本英文学会(関東支部)編『教室の英文学』研究者、2017 「大学で英語・英文法を教えている教師が、日頃何を伝えようとして授業をしているのか、手の内を明かしている本。30編以上の短い文章が収められている。」 ・廣野由美子『批評理論入門ー『フランケンシュタイン』解剖講義』中公新書、2005 「『フランケンシュタイン』という作品をいろいろな観点から読み解く、という形で、小説の技法や批評理論について解説した本、批評理論についての導入の説明もある。」 ・見田宗介『社会学入門ー人間と社会の未来』岩波新書 2006 「社会学とは、社会、つまり、「人間と人間の関係」についての学問。この本では、人々の感性の変化、異なる社会の比較、人類の過去と未来など、さまざまな人間と人間の関係について、緻密かつ感性豊かに論じられている。文学的テクストの社会学的な読み方を示唆している。」 ・宮崎駿『本へのとびらー岩波少年文庫を語る』岩波新書、2011 「宮崎駿監督が、岩波少年文庫50冊を選んで紹介しているほか、児童文学、映画、アニメについて熱く語る。翻訳や作品の言葉について、はっとさせられる発言をされている。」 ・山本史郎『名作英文学を読み直す』 「『赤毛のアン』や『秘密の花園』などの児童文学作品の定番や、『マクベス』などの古典作品について、飽くまでわかりやすく、時にジョークや余談を交えながら貝瀬悦した本。新しい読み方に目を開かれる。」 翻訳に使った原書 おわりに Posted by ブクログ 〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ 佐藤和哉 非常に良かった! 今まで岩波ジュニア新書を10冊以上読んだが(ささっと目を通したのも含めて)、本書は、「砂糖の世界史」「カルトはすぐ隣に」と並んで、トップ3に入ると思う。 私がもともと欧米の児童文学に興味があるから、ということもあるが、あまり児童文学に馴染みのない方でも、アリスやプーさんはわかるだ...続きを読むろうし、ぜひ多くのかたに読んでもらいたい。 著者の語り口も素敵だった。 間口は広く、緩急をつけて、ぐいぐいと話に引き込み、最後まで真摯に児童文学を案内、いや、ともに楽しもうとしてくれる。 読みどころを案内する口調に、既に知っている作品であってもなんだかワクワクさせられる。 著者の語り口ですっかりファンになり、少しお名前で検索したところ、大学のシラバス?が出てきたのだけど、そこも素敵な一文で締められていた。 機会があればこの方の講義を見てみたいなあ。 以下、自分用に本書の章ごとの課題図書?とオリジナルの刊行年などをメモ。 1、マザーグース 伝承 17世紀ごろから 2、ロビンソン・クルーソー 1719 (ちなみにスイフトのガリバー旅行記が1726。そこから島の冒険ものがブームになる。ベルヌ「二年間の休暇」の刊行が1888。意外と間が長い!) 3、クリスマス・キャロル 1843 4、不思議の国のアリス 1865 ←江戸時代。(この章はジュニア新書「砂糖の世界史」を読んでると解像度が凄いです。) 5、クマのプーさん 1926 6、ライオンと魔女 1950 7、第九軍団のワシ 1954 意外と古い。(この本だけ私の未読の作品。私は観念的な児童文学が得意ではなく、そのイメージから読まず嫌いしているのがサトクリフ。ていうか、自分がケルトやら中世騎士道に拘りがあるため、うまく読めない気がしている。解釈違いの二次創作同担拒否、みたいになりそうという素朴な思い込み。でもこれを読んで、はじめてサトクリフに興味がわきました。) 著者が、何度も、自分と違う考えを頑として受け入れないことの危うさ、を説いてくれるのが嬉しい。まさに私に必要なやつじゃん。 中学生や高校生にこの本を読んでほしいし、もし私が十代にこの本に出会えていたら、、、物語の自由さと、現実の不自由さを、物語の力で埋めて生きている自分を見つめてしまってヤバかったかも知れない。 でも、この本が、自分の代わりに、本を読むことの面白さを語ってくれるので、若い方には助けになるはずだし、今の私もそういう点で救われる気がした。 読書は冒険、それを通じて他者の視点を体験するということ。 いずれ、もう少し突っ込んだ本を題材にとりあげてくれたら嬉しいなあ。イギリスに限らず、アメリカ、カナダも。 ウォーターシップダウン、時の旅人、とぶ船、ランサム・サーガ、あとはトウェイン、オルコット、モンゴメリとか、すごく盛り上がると思います(私が)! Posted by ブクログ 〈読む〉という冒険 イギリス児童文学の森へ 佐藤和哉 子どもの頃楽しんだ作品たち。 時代背景を思わせる内容が書かれていたり、作品が今の社会の中で持つ意味は何か、自分で考えるきっかけを与えてくれる。 産業革命による児童労働者の現実、奴隷制、戦争の悲惨さ、相いれない考え方の対立など。 国語試験で求められる、作者の意図を突きとめるという読み方ではなく、...続きを読む少し異なる読み方を教えてもらった。 言葉は分かりやすいが、内容は深い一冊。 Posted by ブクログ 物語,英語で読んでみない? 佐藤和哉 使わない以上、学力なんて時間と共に当然落ちていくものだから、英語についても、考えると空恐ろしくなってしまうんだけど、本書を読む限り、中学レベルくらいなら、まだ大丈夫って気がした。それで喜んでちゃいかんのだけど、さておき、日常的なブラッシュアップの必要性を再確認。 Posted by ブクログ 佐藤和哉のレビューをもっと見る