自己責任論が広がる中、よく左派がその人は境遇的に致し方なくその判断をしたのであって責任がないとする責任否定論で反論する。
しかし、責任否定論も、責任の間口を狭くしただけで、その人が自分の自由な判断でした場合はそれなりの懲罰を与えるべきという点には同意しており、結局は生き辛さに加担しているという指摘は
...続きを読む目から鱗。
そこで著者は、否定的に捉えられがちな責任に、自分のなしうることを全うするという肯定的な意味を持たせ、その結果望ましくない結果に至ったとしても、懲罰を与えるかどうかは慎重に検討すべきという責任肯定論を提案する。
責任にはもともと、自分のことは自分でやるというだけでなく、社会にとって有益なことをなすという意味があったという歴史から始まり、責任について広がりを持たせる試み。