幼き頃より恐竜を愛し、親に頼んで様々な恐竜博物館を訪れ、有名な学者にはファンレターを送り続けた。成人し、世界を代表する恐竜専門博士となり、訪れる博物館と親しい恐竜学者を増やした。そんな恐竜一筋の著者が記す恐竜興亡史。
かつての恐竜のイメージは「大きくてウロコに覆われた頭の悪い野蛮な生き物」だった。
...続きを読む ノシノシと歩き、時を過ごし、滅びるべくして滅びた、という恐竜への固定観念は最近では崩れ去っている。次々と新種の恐竜が発見され、研究が進んだ結果、恐竜はめざましい進化を収めた成功者だとみなされている。なんせ人類を遥かにしのぐ1億6000万年もの間繁栄したのだから。
そして、絶滅した理由もはっきりしている。直径10kmの隕石が地球に落下、原爆10億個分のエネルギーにより、たまたまそのときに巨大な体を持っていた恐竜たちが一番の犠牲になったのだ。白亜紀より後の地層から全く恐竜の化石が発見されなくなることから、恐竜の絶滅が唐突に起きたことは間違いないとされている。
この隕石さえなければ、恐竜はその先、何億年も進化を続け、人類の登場を妨げたかもしれない。