いわゆる横丁と言われる街中の酒場を、80年代から呑み歩いた著者による取材。
横丁の由来は様々だ。戦前の商店街が飲み屋街になった所、青線と言われた私娼街から横丁に発展した所、屋台の禁止令から集約移転して出来上がった横丁、様々なドラマがある。
決して広いとは言えないエリアに、ぎっしりと集まったお店。
...続きを読む狭小な店内、そこには人と人のふれあいであったり、びっくりするぐらい安いお店、名物女将、今にも崩れ落ちそうなバラック。酔客を引き寄せてやまない魅力がある。
しかし時代の変化とともに、横丁は消えつつある。老朽化による防火的な問題、生活の変化により若者が酒を飲まなくなってきた問題、夜サラリーマンの一杯が少なくなってきた問題。様々な複合的な問題から、横丁と言われる飲食店街は衰退しつつある。
一部の横丁はブームとして復興しつつあるようだが、横丁はブームを乗り越えて存続して欲しい。戦後の焼け野原から立ち上がってきた、日本人の琴線に触れる 飲食店街だからだ。