これからの日本の街に必要なことは、みんなで便利に暮らすためのコンパクトシティの実現です。
もともと城中心の街だったところに駅ができ、郊外に宅地造成されたことで人々は分散して住むようになり、街は中心地を失っていまいました。
それをもう一度取り戻し「職・食・遊・学・住・医」のある、歩ける範囲のコンパクト
...続きを読むシティを築くことは、将来的な街づくりの必須条件となると考えます。
(引用)これからの都市ソフト戦略、藤後幸生著、角川書店、2019年、130-131
今までの私達の住む街の成り立ちを知り、我が国の抱える課題、そして、なぜこのような都市ソフト戦略が必要かという豊富なエビデンスによって、読者は納得させられる。
なぜ、著者は、これからの街づくりに「都市不拡散」と「商縮」を提言するのか。
本書を読み、コンパクトシティの必要性や商業施設のみならず、そこに学び、医療など様々な機関が構成された有機的、かつ人の心に届くソフト的な都市戦略が必要あると感じた。
それは、今までの様々な施策の反省から成り立つことも多い。過去から学び、時代の潮流に合わせ、未来のビジョンを見据えた街づくりがいま、求められている。
特に、ストロー現象の話は、中部圏に住む私の心に響いた。それは、リニアが開通し、東京・名古屋が40分で結ばれるようになれば、名古屋が東京経済圏に統合されることになるかもしれない。つまり、「中部圏」という言葉がなくなってしまう可能性もある。しかし、著者によれば、アイディア次第では、中部圏はチャンスにもなり得ると言う。つまり、「逆ストロー現象」を起こす必要があるのだ。
この一節を読み、私は、今後ますます高齢化が進み、交通インフラが整備されて人々の移動のスピードが速まることに危機感を抱くと同時に、さらなる自分たちの住む街の都市のソフト戦略が必要であると感じた。
我が国は、超高齢社会を迎えている。そのときに、本当に住みやすい街、若者と高齢者が共存できる街、そして、いつまでも持続する街づくり。
その具体的な手法を、森ビル株式会社顧問の藤後氏は、わかりやすく教えてくれた。