山根基世さんのエッセイ集です。
講談社文庫になっています。
短いものがたくさん収められています。
「ことばを支えるもの」
外国を回ってガイドさんに説明してもらうことの多い山根さんですが、時間が経って心に残っているかどうかには違いがあります。
自分の身体の中に入り込んでいる知識をもとに自分
...続きを読むのことばで語っている場合は心に残るといいます。
歴史の年代を覚えておく意義も書かれています。
ハンガリーで何かが起こったときに日本では何時代だったというと伝わります。
世界史を縦と横で学習する意義です。
「性格のきつい人とのつきあい方」
きつい性格というのは独立してあるのでなく、相手との関係によって生まれるということです。
突然怒り出す人は誰にとっても苦手なものですが、自分のどこがいけなかったか反省するのも大切ですが、あまり自分を責めない方がいいとも言えます。
こういう人に対しては、あくまで礼を失しないよう挨拶はきちんとする。しかし、半径1メートル以内には接近しないようにするということです。
精神的に近づかないからこそ、善い関係が保たれるということもあるというわけです。
「大人の女の条件」
情報管理ができることが大人の条件だと山根さんは言います。
イザコザの原因は、お金と異性と「ことば」に因るということです。
届いてはならない情報が届いてはならない人のところに届くから大騒ぎが起こるわけです。
これを届ける人、口の軽い人、秘密を守れない人、こういう人を「大人でない」と言います。
もめ事が絶えないのはこういう人がいるためです。
誰かを不幸にする情報なら自分のところで留め置くことができる人が「大人」だというわけです。
伝えなければならない情報はきちんと伝えることも大切です。
伝える相手を間違えないということも大切です。
これは男女とも言えることです。