ユーザーレビュー 夏みかん酢つぱしいまさら純潔など 鈴木しづ子 / 川村蘭太 先日、Twitterで知った、戦後、娼婦俳句、パンパン俳句などと呼ばれ注目されるもその後消息を絶ち消えてしまった俳人、鈴木しづ子の句集「春雷」と「指環」の2冊に評伝を合わせたもの。(ボリューム的には2/3を評伝が占めてるけど) 句集も良いけど、評伝がかなり頑張って調べており興味深い。 「体内にきみが...続きを読む血流る正坐に耐ふ」という句はイメージとして妊娠を想起させるけど、「きみ=母」であり母娘の関係を句にしたものであることを解き明かしたり、雑誌に投稿された句が実は過去にまとめて送られてきたものを師である松村巨湫が都度投稿されたかのように偽装したものだった(俳句の世界では良くあることなんだろうか?)とか読み物として面白い。 Posted by ブクログ 夏みかん酢つぱしいまさら純潔など 鈴木しづ子 / 川村蘭太 幻の俳人、鈴木しづ子の作品集と彼女を追ったドキュメンタリー。特に、取材した川村蘭太さんに感心した。わずかな手がかりからその生涯に迫る様に執念を感じる。しかし、それでも彼女の実像は一部しかわからない。それでもいえるのは、「娼婦俳人」などという言葉でくくることのできない、彼女の愛だろう。 Posted by ブクログ 鈴木しづ子のレビューをもっと見る