作品一覧
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4.11巻1,870円 (税込)アメリカ建国時の理念と制度は、トランプ政権に打ち砕かれた。しかもその出現は予言されていた。フェイクニュースやプロパガンダがはびこり、客観的事実が消えゆく世界で、私たちはどう生きるべきか。不穏な時代に精神的な立ち位置を示そうとする、ピューリッツァー賞(批評部門)受賞者としても著名な文芸評論家の話題書、待望の邦訳。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
著者は1955年生まれの日系アメリカ人二世。長くニューヨークタイムズ紙上で書評を担当。批評部門のピューリッツァー賞受賞者。ドナルド・トランプと彼を登場させたアメリカの現実について舌鋒鋭い議論が展開される。ウソつきの恥知らずのトランプに対する批判は、それ自体むちゃくちゃ小気味よいが、問題はそういう人物を担ぎ上げ、今なお支持を続ける人々がアメリカの半分近くいること。そして同じようなことが近年日本でも起こっていることは改めていうまでも無い。アベ、スガに続いてどのウソつきが次の政権を握るのか未だ不明だが、いつまでもウソつきの恥知らず集団の中で椅子取りゲームが続いているのが日本の悲劇。今や共産党が一番ま
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Posted by ブクログ
フェイクVSファクト、という対立構造で語られることが多くなったトランプ出現後の報道の世界。この対立は民主党VS共和党、とか左翼VS右翼、という旗色がはっきりわかるものではなく、どちらも相手をフェイクとデスっているところがややこしい。つまり、正しい、正しくないという議論では結論が出ない空しさを世界に定着させてしまっています。
各自が自分の信じたい「真実」だけを「真実」とし、それとは違う「真実」を「フェイク」と呼んで聞く耳を持たないどころか、徹底的に攻撃することが当たり前の時代、それを著者はTHE DEATH OF TRUTH「真実の終わり」と読んでいます。もちろんニュースを捏造するシステムや、そ -
Posted by ブクログ
トランプ大統領に代表される虚言やフェイクニュースを批判した書籍である。フェイクニュースが存在すること以上に、虚言やフェイクニュースが非難されずに受け入れられていることが問題である。現実に2019年の台風19号で二子玉川が浸水したが、住民団体「二子玉川の環境と安全を考える会」が多摩川氾濫後にWebサイトを削除したとのフェイクニュースも流布された(林田力「台風19号の多摩川氾濫と住民運動へのフェイクニュース」ALIS 2019年10月14日)。
本書は、この背景としてポストモダニズムがあり、右派メディアとソーシャルメディアが加速させたと分析する。これに対抗するためには、教育と自由な報道が必要と主張