思った以上にページ数が少ない本(80ページ程度)でしたが、手軽に(その内容は決して手軽ではありませんが)読めるのは良かったです。
また世界各地のCEDを宣言した都市の状況や気候変動ストライキなど最新の情報が盛り込まれた本なので、ニュースで断片的な情報を耳にしつつも、気候危機に対して政治、メディア、科
...続きを読む学者、NGO、あるいは世論がどのように取り組んでいるかあるいは扱っているかの概要を把握にするには絶好の本のように思います。
個人的に気になったキーワードして挙げたいのは「ドーナツ経済」ですかね。
ドーナツ経済は、外側の地球的境界と内側の社会的境界に挟まれたドーナツ状の部分が人類にとって安全で公正な活動空間であると考えた経済の概念図ですが、そもそもその項目や閾値の是非はともかく、定量的に検討できるのはやはり分かりやすいです。
いづれにせよ人類以外の多くの生物の屍の上に立って被害を遅らせようとも、人類に残された時間は少なく、著者のいう「革命」がすぐにでも必要ということでしょうか。ただしこの革命を起こせば、誰もが平等になったり、共産主義社会が生まれたりするものではなくディストピアの到来を少し遅らせることができるだけという全く夢物語に欠けたものですが・・・。
いい加減夢から覚めよと地球からの警告ですかね。