Web版のときから好きな作品なので、書籍化本当に楽しみにしてました。
真さん、思っていたより可愛らしいお顔立ちで。
これで男性に間違われ続けたのは、もう気の毒でしかない。
うっかり聖女召喚に巻き込まれてしまった(という態の)新米僧侶の真が異世界でも僧侶として護衛騎士つきの生活を送っているうちに、あ
...続きを読むれ何やらこれは、な展開になっていく話。
僧侶の黒服・ポニーテール姿が異世界では男性の姿、つまり女性ではありえない格好だったために、すっかり少年として誤解されてしまった主人公の真。
しかも素足を異性に見られた場合は結婚しなければいけない(破った場合は物理的に痛いペナルティあり)なんて常識のある世界でうっかり護衛騎士のリオネルさんにその素足を見せてしまったものだから、余計に女性であることを言い出せず。
他にも、足に関する不可思議な常識があったり、めちゃくちゃ気持ち悪い色をしている肉が美味しかったり、カルチャーショックを受ける場面も多々。
魔法が存在するファンタジーな世界観でありながら、書き文字は平仮名だったり、干支の概念があったり、服装も和服に近いものがあったり、不思議な世界観である。
この日本と異世界の融合具合や、独特な文化やルールがきっちり練られていて、それをちゃんと作品に落とし込めているところ、Web版読んだ時から凄いなと思っていた部分。
改めて作品の凄さを思い知った次第。
仏教に関するネタはWeb版からは減らされているので、説法めいた部分は少なくなっているけれども、真とリオネルさんが段々と心通わせていく展開は変わりなく、作品の魅力は損なわれていない。
真は結構自己分析できるというか、冷静に物事を見て判断できる人なので、異世界にいても安心できる感じ。
彼女に限らず、作者さまの書かれるヒロインはそういう傾向にあるイメージ。
他の実例を出して、今の状況を説明するというか、何といっていいだろう、感情論だけで物事を見ていないというか。
まして彼女は、チート級な魔法を手に入れた代償に嘘を発言できない体になってしまったため、彼女の言葉には名前の通り「真」が宿る。
そんな彼女にリオネルさんは救われていく。
彼、本当に不当な扱いを受けていた人なので、救われる展開でよかった。
これからの二人を想像するだけで、にやにやが止まりません。
お役目はあるけれども、それ以外は二人の居場所である隠れ里でゆっくりのんびり暮らしていってほしいです。
ただいまと言える場所があることは、幸せなことなのだろう。
それが、異世界であっても。