2019年の単行本を文庫版で再読。4年経って紙の新聞の衰退はさらに進んでいます。新聞協会のHPでは新聞発行部数は2019年の37,811,248から2022年の30,846,631へ、700万部の減少です。日本の人口減少が2019年から2022年で160万人なので人の減り方では語れない新聞の衰退が見
...続きを読むて取れます。今回、再び読んだのは文庫のために付け加えられた新章「新聞vsプラットフォーマー」を読むため。現在進行形の「オリジネーター・プロファイル」について取材しているからです。信頼できるコンテンツを認証する、というプログラム、やっと動いたか、という期待もありますが作者は少々懐疑的な視線を投げかけます。それは本書でのメインストリー、「あらたにす」の挫折があるからでしょう。成長の時代に激しく販売競争してきた新聞社の呉越同舟がいかに難しいかを描いてきた著者ならではの感覚です。ただ文庫版の締め切り直前まで交わした著者と読売新聞社山口社長との生々しいやりとりはそれだけでも必読です。単行本の時には2050年まであと31年でしたが文庫の今年はあと27年…リアル「2050年のメディア」はどうなっているのでしょうか?