森バジルの作品一覧

松本清張賞を受賞した連作短編集。
読み始めて、ミステリなのかと思ったら、2作目で青春小説となり、3作目はなんとタイムリープするSFとなる。
違う世界線を同じ街、同じ時代で紐づけてゆくところがとても新鮮だった。
エピローグでは、すべての始まりを予感させる内容となり…
少し読み返してみたら、そこかしこに繋がりを連想させるワードがあって2度おいしかった。
期待の新人です。

短編それぞれが上手く連動して読んでいて楽しい。SF、ファンタジーも入れることで、普通じゃありえない絡み合い方で面白かった。

同じ町を舞台に描かれる五つの物語。
一つ一つの物語もとても良かったけどみんな繋がってるのが楽しい。こういうそれぞれの物語がリンクしてる構成は好きなんだけど、この本のリンクの仕方は桁違いというかジャンルを超えたすごさでした。読後感も良かった。これがデビュー作とかホントに衝撃的。良い出会いでした。これからの作品も楽しみにします。

読み終えて、タイトル『ノウイットオール』の意味がわかった。
第一章
なんだ、探偵主役の推理小説か。
第二章
お⁉︎一章で話題に登った漫才コンビの高校生の話か？
第三章
おやおや、第二章の彼の美貌の持ち主の彼女が主役か。探偵がはめていた指輪も関係ある？
第四章
ありゃ。今度はSFライトノベル的な。
この彷徨っていた元人間の女性の正体は！！
第五章
漫才高校生がストリート漫才した時に現れた
この尖った頭の男とその彼女ね。
エピローグ
あー。美少女の生活費は指輪代だったのか。で、産まれた子が彼女の父親か！


1ピースの色と形が全く異なるひとつのパズルの様な一冊。それぞれが絡み合い関係している。キー...続きを読むワードは指輪と花火。難しすぎないので、「あーあれがこれでこうなるのね」と安心して想像し確かめつつ読むことができる。
全員が主人公‼︎

この本は一気読みするに限る。でないとパズルを完成させるために何度も読み返すハメになる。

短編集でそれぞれの話が繋がっている、という本はよくあるけど、別々のジャンル(推理、青春、SF、ファンタジー、恋愛)の短編が繋がっているというのが面白い。推理小説、青春小説ときて急にSF、ファンタジーと世界観が変わるのでびっくりするけど。「イチウケ」が1番好きでした。伏線が色々散りばめられているのでもう一度読み直したい。