2018年は、プラモデルの還暦の年とのこと。(ちなみに同じ年、チキンラーメンも還暦…だからNHKの朝ドラは安藤百福一家が選ばれた?)インスタントラーメンの60年が、一億人の国民生活史であるのに対して、プラモデルの60年は少年たちの熱狂史なのでありました。たぶん、決して、朝ドラになっても視聴率は取れな
...続きを読むいと思いますが、それでも社会の動きとシンクロした激動の産業興亡史なのでもありました。インスタントラーメン史においては、日清食品が正当な王朝としてこれからも君臨していくと思いますが、プラモデル史においては、もちろん田宮が圧倒的存在感を放ってはいつつも群雄割拠なメーカーが入り乱れ、戦いながら、また協調しあいながら、少年の夢という市場を開拓していくのです。なにしろプラモデルという言葉が初めて発売したマルサンの登録商標で、しかもマルサン、早々と倒産してしまって、その買収先によって一般名詞として解放されたとか、歴史のディテール満載です。市場創造ということでいうと、コロコロコミックとミニ四駆のメディアミックスは、よく語られていましたが、そもそもプラモデル発売の翌年、創刊された「少年マガジン」「少年サンデー」などの少年誌との共生関係にあったのです。後発誌「少年キング」と「ゼロ戦はやと」とか、記憶のかさぶた、剥がれました。戦艦、戦車、ゴジラ、サンダーバード、スロットレーシング、スーパーカー、ヤマト、ガンプラ、ミニ四駆、海洋堂などのガレージキット、ミリタリー萌え、ひとときも留まることのないイノベーションの連続で「静岡は模型の世界首都」へ。しかし、この先、少子化の中で、少年たちの夢は、どこに向かうのか?少年たちの見る夢も。モノからコトへ移るのだとしたら、プラモデルの見せる夢も所有から体験、ということになるのでしょうか?