【ブッダって比喩の天才】
初期仏教の考え方が、とても簡潔に新書でまとまっています。
まず、インド人ブッダの考えは、情緒的な日本人から見ると、物凄い構成力を感じました。西洋から見ると同じ東洋でも、全然違います。
また、当時の他の宗教の、「アートマン」やら「業物質」などその存在が分からない仮定を取
...続きを読むり除き合理的に考えたのがブッダだと思いました。
「私は美しい女性を愛している」と言いながらその女性について容姿も知らない男のようだ、というブッダの発言には納得できます。
最後に、「心の平静」を得るために、役に立たないことはバッサリ切り捨てです。
「毒矢を射られた時、どんな容姿の誰が何の目的で射たのかが分からなければ矢を抜かぬとなったら、その人は死んでしまう」というようなことを言っています。死後の世界や霊魂の存在などには、一切コメントしませんでした。
自分の教えを筏に例えたブッダ、「筏は大きな川を渡るためのものであって、渡った後に担ぐためのものではない」
比喩の天才です。それもこれも私たちが理解しやすいようにという、ブッダの思いやり(コンパッション)です