作品一覧

  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)
    4.0
    1巻649円 (税込)
    オハイオ州の架空の町ワインズバーグ。そこは発展から取り残された寂しき人々が暮らすうらぶれた町。地元紙の若き記者ジョージ・ウィラードのもとには、住人の奇妙な噂話が次々と寄せられる。僕はこのままこの町にいていいのだろうか……。両大戦に翻弄された「失われた世代」の登場を先取りし、トウェイン的土着文学から脱却、ヘミングウェイらモダニズム文学への道を拓いた先駆的傑作。(解説・川本三郎)
  • トウモロコシの種蒔き S・アンダーソン短編集
    -
    1巻1,650円 (税込)
    シャーウッド・アンダーソンは我々のあらゆるアメリカ人作家の父親である。(フォークナー) ぼくにとって最も重要な作家はアンダーソンだ。(ヘミングウェイ) アメリカ文学史上極めて重要な位置づけをされている作家、シャーウッド・アンダーソン。 世の不条理や様々な人間模様、あるいは人の深層心理の綾をその鋭い観察眼で抉り出す。 単行本未収録の短編15編を収録した傑作短編集。

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  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)

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    19世紀アメリカ西部の田舎町、ワインズバーグ。新聞記者の若者ジョージ・ウィラードを中心に、町に住む「いびつな者たち」の物語を綴る連作短篇集。


    この作品に描かれた「いびつな者たち」とは、大きく括って社会的なマイノリティーの人たちを指しているのだと思う。さまざまな理由ではぐれ者扱いを受けている人たち。「手」のビドルボームや狂言回し役のジョージが抱える葛藤から、〈男らしさが至上の世界からこぼれ落ちた人びと〉というテーマを受け取った。ヒーローにも不良にもなれず、世間から賞賛されるようなことはひとつも成し遂げられない苦しみ。〈落ちこぼれ〉のなかには当然〈女〉も入ってくる。
    ジョージの母エリザベスを主

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    2022年12月31日
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)

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    随分前に橋本福夫の訳で読んで、大好きだった本。上岡伸雄の新訳が出て、『リンカーンとさまよえる霊魂たち』の訳も良かったし、再読してみた。
    とてもいい訳だと思ったが、福田訳を何度も読んでいたので、どうしても違和感があった。特に美しい「紙玉」(上岡訳では「紙の玉」)の「ひねこびたリンゴ」という言葉が心に残っていたので「ごつごつしたリンゴ」には物足りなさを感じてしまった。
    しかし、全部読んでみると福田訳よりずっと分かりやすく、福田訳では読み飛ばしがちだった「狂信者」(福田訳では「信仰」)は思い込みを信仰に結びつける者の恐ろしさ、愚かさ、悲しさが伝わってきて、ラストのジェシーの哀れな姿は胸に迫るものがあ

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    2019年01月02日
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)

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    必読書としてよく挙げられてはいるものの、なかなか読む機会を得なかった『ワインズバーグ、オハイオ』、新訳が出た、ということですぐに入手した。
    で、読み始めたものの何やかやで途中でページが止まっていた、のだが、今朝、ふと再開したところ、とにかく止まらなくなってしまった。
    無数の人たちが次々に現れては短い物語の主人公となったり、脇役となったりする。当初は、だれに心を寄せればよいのか掴み切れず物語に入り込むことを難しく感じたていた。それも途中で手が止まっていた要因かと思う。
    ところが、なぜか、今日は読み始めたときに「これは、読める」と思った。そして案の定、一日をかけて、すべてを夢中で読んだ。読書には、

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    2018年09月17日
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)

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    1919年に発表された小説だとは思えないほど現代的。
    頭に全く入ってこない話もいくつかあったが、「変人」、「神の力」、「品位」は特に良かった。

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    2022年09月07日
  • ワインズバーグ、オハイオ(新潮文庫)

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    人生が複雑怪奇であるということは真実だ。平凡な人生というものはありはしない。と、解き明かすような、アメリカの想像上のある町「ワイインズバーグ」に住む人々の暮らしや心模様の物語群でした。ひとつひとつの物語でもあるが、若い地方新聞記者ジョージ・ウィラードは聞き役でもあり、つなぎ役でもあり語り部です。

    1900年代の初めに書かれたアメリカ文学、ヘミングウェイやフォークナーに影響を与え、モダニズム文学のさきがけということです。この前に読んだ佐藤泰志『海炭市叙景』の下敷きのようなものということで読みました。

    なるほど、あるまちを創造、住人の人生模様を癖や性格などを素材にして物語るのは同じようです。で

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    2020年07月07日

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