読まなきゃ読まなきゃと思って、ずっと積読にしてしまっていた。もっと早く読めばよかった。
民法改正の細かい内容の解説ではなく、なぜ改正すべきなのか、法制史や比較法等法学的見地から、前半で詳しく丁寧に説明されているところがよかった。さすが現在の民法学の第一人者の一人である内田先生の書かれた本だけのことは
...続きを読むある。資格試験の勉強などではどうしても上っ面な知識だけをなめがちになるところ、改めて法学の根幹的な部分を認識させてもらったのがとてもよかった。
そもそも出来の悪い学生ではあったけど、ただ、どうしてこんなことになってしまうんだろうと当時からモヤモヤしていた部分(例えば、細かすぎる消滅時効の規定は、フランスの慣習(職業差別に由来)をそのまま持ってきてしまったから)がすっきりできたのもよかった。当時の先生は説明してくれてたっけかな・・・説明してくれてたのに、私が寝てたりサボってたりしていただけかもしれないけど^^;。日本民法の特徴+出来の悪い私の相乗効果で理解不能になってた部分が多々あったのだわ、とちょっと安心したところも。
プロがわかってればいいとか、体系的なバランスを崩すべきでないとか、そういう改正反対派には私も同意できない。憲法同様、なんで法律を宗教の経典みたいに考えてしまうのか。市民のための法律ならばなおのこと、古くなってしまった内容はどんどん変えられるべきで、確かに新しい内容を覚え直すのは大変だけど(^^;)、立法機関たる国会はぐずぐずしていないで、改正民法の議論を深める等ちゃんと仕事してほしい。