建築とは何か、建築家とは何を重視するのか。そんな問いの一助になる入門編。
入門とあるけどそれなりに難しかったり。
「用・強・美」と呼ばれる建築の三原理の説明から始まり、具体的な建物や歴史を振り返りながら説明してくれる良書。
何かを建てる時に「何のために用いるのか」「どのように強くなくてはならないの
...続きを読むか」「どうすれば美しくなるのか」を考えなきゃならない、というのは素人でもわかるんだけど、そこから一歩出て「建築を通して何を/どのように伝えるか」とまで考えているんだな。ある意味、大衆に最も寄り添った芸術…という言い方もできるかもしれない。
例えばガラス張りの建物は、そのオーナーの(透明性という)意思表示に使われたり。技術が発想を可能にし、発想が意思を見える形に作り上げるわけだ。
『一級建築士矩子の設計思考』が面白かったので興味が湧いて買ってみたけど当たりだったね。