浮き沈みの激しい外食業界。その中でもさらに激しい競争にさらされるのが居酒屋業界だ。3000円以上の高額な客単価は儲けも大きいが、リスクも大きい。
そんなハイリスク・ハイリターンな市場には一攫千金を夢見る若者たちが次々と挑み、そこで勝者となった者は1代で何百店舗ものチェーン店を立ち上げていた。
フ
...続きを読むランチャイズ方式で1000を超える店舗を開いた「養老乃瀧」の木下藤吉郎。セントラルキッチンを導入し、株式上場も果たした「天狗」の飯田保。コスパの高い酎ハイを発明した「村さ来」の清宮勝一。彼ら先駆者を経て、居酒屋創業者の社会的地位は向上、現在ではワタミやモンテローザ、コロワイドなど居酒屋をルーツに持つ総合外食企業が台頭している。
こうした歴史を踏まえ、今も生き残っている居酒屋をながめると、店名から料理、店舗運営などはどれも似たり寄ったり。法に触れないギリギリの範囲で、他の居酒屋を模倣することが今の居酒屋経営者に求められる。その結果、居酒屋業界では訴訟合戦や企業買収などが起こりやすい。さらに、カリスマ創業者の個性やブラック企業問題などが社会ニュースをにぎわせる。
居酒屋業界とは、戦国時代のような弱肉強食の世界なのだ。