成功する練習の法則
最高の成果を引き出す42のルール
難解な書、いかに短期間で、正しい練習を行い自分のものにするかを語った書
帯に、「あらゆるスキル上達の最短距離、古い常識を捨て、最強メソッドを学べ!」とある
教育というものは、幾つものパラメータが複雑に絡まった行為との印象があり、その章が何をい
...続きを読むいたいのかが
その章の冒頭に書いているが、難解である
一定の方向性、意味をもつ動作であるが、言語化することはむずかしく、まして、イメージ化しにくい。
観察をして
本書は、こうした、非言語化行為を、比喩であらわそうという努力がややかけているように感じました
気になったのは、以下です。
■結果を出すための練習とは
本書は、伝説のUCLAのバスケットボールコーチである、ジョン・ウッデンを出発点としている。彼は、20世紀でもっとも偉大なコーチと言われた人物である。
・彼は、靴下とバスケットシューズのはき方から練習させた。
・すべての練習をカードに書き留めた
①何がうまくいったか
②何がうまくなかったか
③次のどうしたらもっとうまくできるか。
④書いて将来のために保管した
・彼の練習の基本は、
× 試合を再現する実戦練習
〇 試合を変形して特定スキルを習得する、反復練習
・練習の進め方
ボールを使わない指導 ⇒ 徐々にむずかしくしていく
選手が習得して体が自然に動くようになるまで、反復練習をする
常に正しく練習することにこだわる
⇒地味っで細かい練習の積み重ねが、技術の習得につながる
⇒1分1秒を大切に、いかに効率よく時間を使うかにこだわる
・理解と実行のギャップ
あるべきことは理解している ⇒ でもそれを確実には実行できない
一つのこと修正すると ⇒ 別のことができなくなる
同時にことがおきていると ⇒ ひとつのテクニックに集中できない
つまり 理解していても、知っているだけでは、実行ができない
■練習の思い込みを見直そう
・間違った練習をすれば、ゴールはどんどん遠ざかってしまう
⇒質のよい「すばらしい」練習をする必要がある
⇒質の低い、多めの練習よりも、好ましい結果が得られている
01 成功を体感できるものにする
練習を観察して正しくやっているかを確認する
彼らがやり方を習得するまで、教えたとは言わない
02 最大の価値を生む20%に集中して取り組む
最大の価値を生む20%に練習を集中する
たんに習得するのではなく、きわめてうまくなることが目標
03 無意識にできるようになるまで徹底する
無意識にできるようになるまで徹底的に習得させる
複雑なスキルを積み上げ、能動的に考えなくても複雑な作業ができるようにさせる
基本的な作業を自動化するとともに、複雑化した作業も自動化できないかを考える
04 無意識いできるようになれば、創造性が解き放たれる
反復回数を増やせば創造性と個性が引き出される
05 目標を目的に置き換える
①目標は計測できる
②目標は管理できる
③加えて、専門的な指導がつき、ごく少数の項目を正しくやることに集中する
④効果的な目標は練習前に決めておく
06 得意分野を見つけて磨きをかける
すごくうまくできることを、集中的に練習し、さらにうまくなって大きな価値を生み出す
07 実戦練習ではなく、反復練習でこそ上達する
現実を変形した設定で、ひとつのスキルに最大限集中し、意図的に磨きをかける
実戦のために、既に習得したスキルを統合するための反復練習を行う
08 批評でなく、正しい方法でやり直しを求める
修正であって批評ではない。できるだけすぐに、具体的なよりよい方法でやり直させる
■どんな練習にするか
・練習に入るまえに、すぐれた成果に必要なことを正確に知る
・作戦を何度も立てて練習する、細かい点を確認しながら準備する
・わかりにくいテクニックや失敗に、名前をつけて分かりやすくする
・反復練習の再設計、範囲の見直し
09 ゲームを分析する
練習方法について、一番重要なルールとは、卓越するために何が必要なのかを知ること
主要な瞬間を分析しつづけ、法則性を発見する、さらに必要にスキルへ分解する
データを分析し、最高の教師を見つける。ビデオをみて、共通するテクニックを抽出する
10 スキルを分離して個別に練習する
手順を分離したら、個別のスキルをひとつづつ身につける
最終的には、個別のスキルを合わせて、統合的に使えるようにすること
11 スキルに名前をつけて共有する
スキルの識別、命名の組み合わせが効果的な練習の設計につながる
スキル開発の略語となり、同時に、効率よい管理ツールになる
12 スキルを統合して練習を本番に近づける
個別のスキルを練習し終えたら、複雑さを加えて、スキルを統合する
習得には、さまざまな反復練習が効果的だ
①本番さながらのシナリオでスキルを練習する
②正しいときに、正しいテクニックをマッチングさせる
③練習を本番の環境で行う
13 練習計画を立てて修正する
①データにもとづく目標を念頭において計画する
②最後の1分まで計画する
③計画をリハーサルして修正する
14 1分1秒を大切にする
ホイッスルや、手をたたくを導入する 3回手を叩けば皆きけ、2回たたけば、練習中断
<何すべきか、わからない> 予備の活動を用意しておくなど
<待ち時間> グループ分けして、事前練習
<長い指示> 反復練習を設計して、名前を付ける、同じ反復練習にバリエーションを加える
<注意不足> 最初から期待する行動を教えておく
<議論好き> 議論を短く
<こまぎれ時間> 割り当てられた時間だけが練習だという意識をかける
■手本を活用する
・スキルのモデル化⇒お手本
・リーダ・コーチが実際にやってみせる
15 手本と手順書の両方を使う
工夫された手順書と手本をうまくつかう
重要な判断が必要なときに、手順書を参考にする
16 事前にすべきことを伝える
手本を示すまえに、あらかじめ、何をみるべきかを相手に伝えておく
<学びの場>ショットをメールする
17 できそうと思わせる手本を示す
手本は高度のテクニックだけでなく、現実的で信じられる映像にしなければならない
学習者が見て、できそうだという手本でなければならない
18 完全な手本を示す
学習者に実践してほしいやり方で手本を示す
教えたいスキルの手本を示すとともに、最終的に学んでほしい他のスキルも手本を示す
19 手本をそのまま、まねさせる
手本をそのまま、まねさせることは、テクニックの完全に正しい学び方だということを知っておく
20 分解して手本を示し、繰り返す
手本を分解して、各部に名前をつける。各部ごとに手本、もしくはやって見せて、すぐ試してもらう
21 手本に近づく道筋を示す
テクニックによっては、手本を見せるだけでなく、手順を説明し、見せる必要がある
図を書き、メモをとり、ことばを交わす。手順をそってステップにそって、成果と手順、双方の手本を示す
あるいは、不完全でもかまわないので手本をまねて、フィードバックを受けながら、改善していく
22 ビデオを活用する
30秒単位で編集、質もそうだが、量を増やす
■フィードバック
・早く上達するためには、フィードバックの改善が必要
・1度にたくさん、フィードバックしないこと
・フィードバックの質を高めれば、個人にも、組織に並外れた力がつく
・フィードバックを習慣にする
23 フィードバックを取り入れて練習する
フィードバックは何度も繰り返す、そしてすぐ伝える
ビジネスでは、計画、実行しかない。教育では、計画、学習、練習、実行となる
24 フィードバックをまず活用し、あとで考える
フィードバックを活用し、練習したら、あとから考えればいい
練習⇒フィードバック⇒やり直し⇒なんどか繰り返す⇒できたら、考える
25 フィードバックのループを短くする
フィードバックでは、スピードがきわめて重要、行動を変えたいなら、すぐ伝え、すぐ実行する
26 フィードバックの「ポジティブな力」を使う
3つの方法で手助けする ①認識のことば ②繰り返しのことば ③応用のことば
27 小数のポイントに集中する
たくさんあっても、2つのポイントに集中する
フィードバックに一貫性を持たせること
28 フィードバックを日常のことにする
頻繁にフィードバックすれば、あたえまえに感じられるようになる
29 問題ではなく解決策を説明する
解決策はやるべきことを伝えるだけでなく、あいまいな指示を超えるものでなければならない
30 フィードバックを定着させる
3つのツールを使う
①フィードバックの要約
②フィードバックの優先順位
③次の行動
■練習できる組織を作る
・練習しやすい設備や環境を作る
・練習と一貫した改善の文化を作る
・練習の大切さを伝える
31 まちがいを練習の一部にする
失敗する練習をする
①ころぶのは普通である、スキルの欠如ではない
②スキルの限界ですべりつづけることでさらにうまくなれる
32 練習の障害を打ち破る
練習は生理的苦痛になりうる
身体的反応、心理的反応
自分をながめるもう一人の自分が批評する
①障害を見つけて名前をつける
②練習による克服を支援する
③その件について話すのもうやめよう
33 練習を楽しくする
練習は懲罰であってはならない、練習はがぜん楽しくやる気がわくものにする
仲間意識を活用する
34 全員が挑戦する
リーダが自ら手本になり、練習に打ちこむ
35 仲間同士の責任感を強める
メンバーが集中して取り組みたい具体的なスキルと分野を特定させる
メンバーが相互に責任を持ち合う環境を作る
36 練習のための人材を選ぶ
模擬授業をみせてもらう必要がある
フィードバックをどう受け止めて、自分の指導をどう取り入れるか
37 仕事をほめる
×性質(たち)をほめると成績がおちる場合がある ⇒性質は自力ではどうにもならない
〇行動をほめると、行動を変えれば、結果に影響を及ぼすことができる
■練習は終わらない リーダスキルの向上について
・リーダが新しいパフォーマンスを改善しようとしてもできない
せっかく研修をうけても、習慣化していないので、スキルが定着しない
38 できているかどうか観察する
スキルを切り分けて練習したあと、本番を観察し、練習した個別のスキルについてフィードバックを伝える
練習したスキルに合わせて、本番の観察に役立つツールを作る
39 本番中には教えず、思い出させる
本番中のコーチングには役立つが、本番中に教えるのは、気が散るので、逆効果だ
40 練習中に絶えず話し合う
練習中に共通のことばが定着したあと、練習した内容についてできるだけ多くの方法で話し合う
41 支援と要求のバランスをとる
練習の原則 練習は失敗しても影響のない無処罰の場であるべきである
42 成功を計測する
練習の有効性 練習でできていることを本番でもできるか
正しいことを練習しているか パフォーマンス向上に必要な練習をしているか
著:ダグ・レモフ
著:エリカ・ウールウェイ
著:ケイティ・イェッツイ
紙版
日経ビジネス人文庫 B れ-1-1
ISBN:9784532198725
出版社:日本経済新聞出版社
判型:文庫
ページ数:400ページ
定価:850円(本体)
発売日:2018年09月03日第1刷