作品一覧

  • 隣のずこずこ(新潮文庫)
    4.1
    1巻693円 (税込)
    「村を壊します。あなたたちは丸呑みです。ごめんね」二足歩行の巨大な狸とともにやってきたあかりさんはそう告げた。村を焼き、村人を呑み込む〈権三郎狸〉の伝説は、古くからこの地に語り継がれている。あれはただの昔話ではなかったのか。中学3年生の住谷はじめは、戸惑いながらも抗おうとするが――。恩田陸、萩尾望都、森見登美彦が絶賛した、日本ファンタジーノベル大賞2017受賞作!(解説・森見登美彦)
  • 隣のずこずこ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    2、3回読んだけど何度読んでも面白い。終わりに向かって、村人それぞれがいろんなふうに壊れていくのが面白い。終わり方が、そんなにハッピーじゃないのもいい。

    0
    2024年03月10日
  • 隣のずこずこ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    森見登美彦さんが審査員の、日本ファンタジーノベル大賞受賞、そしてたぬきのお話、とくれば、完全に『有頂天家族』的ワールドを想像してしまうというもの。
    社内ベスト本に応募した推薦文より。

    とある田舎町に信楽焼たぬきがやってきた。
    ほんわかファンタジー小説かと思いきや、バイオレンス炸裂!
    人を丸呑みって…この狸、ちょっとエグくない!?
    ホラー的展開がおもしろすぎて一気読みしました!

    0
    2023年04月07日
  • 隣のずこずこ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    引き込まれる設定と巧みな文体に魅了されてぐんぐん読み進めてしまった。面白い。
    権三郎狸の出現によって、破滅の運命から逃れようとする人、抗おうとする人、受け入れる人、ベクトルは違えど着実に変化していく村の人々と、それでもどこかに漂う日常の雰囲気の間にギャップがあり、それによって物語がより一層深みを増している。「全てを諦めきった人が醸し出す静かな絶望」という感じ。それを中学三年生の少女の目線から描ききった作者の発想力、観察力、表現力は素晴らしいと思う。新潮文庫の解説は森見登美彦氏だが、森見の作品が好きな人には特におすすめです。

    0
    2023年02月12日
  • 隣のずこずこ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    物語の端々で、想像が膨らむ。
    「この後って、」「この言葉って…」と読む人によって色んなお話が出来上がりそうです。
    終わりに向けて、どんどん加速していくお話でした。

    0
    2021年02月06日
  • 隣のずこずこ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    本作の読みどころは、日常では「悪」と見做される行為が、日常が崩壊したそばから仕切りを失って主人公の行為に雪崩れ込んでくるところにあると私は感じた。淡々としているところが、逆に凄まじい。だから、主人公と一緒に、自分の倫理観も麻痺していく。報復、暴行、火付、殺人。つくづく、「善行」なんてものは、極めて条件付きの世界でしか航行できないやわな船なんだと思わされる。
    ファンタジーノベル大賞は、私の中ではまだ信頼できる賞モノのひとつ。酒見賢一氏しかり、森見登美彦氏しかり。今回もいい感じ。読み手に媚びてない作品は、よい。含みの多さも大いに歓迎できる。地名の消滅、自治体の消滅、死の遠さ、余命宣告を受けた後の生

    0
    2020年12月31日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!