作品一覧

  • 美しき血 竜のグリオールシリーズ
    4.0
    1巻1,375円 (税込)
    動かぬ巨竜グリオール。テオシンテ市に横たわる彼の体には、川が流れ村があり、体内では四季が巡る。その巨体には、いまだ解明されていない多くの謎がある。グリオールの血液を研究していたロザッハーは、黄金色にきらめく美しき血に混沌とした多彩な快感を与える効用があることを発見する。四年後、ロザッハーは〝マブ〞と名付けた竜の血から精製した麻薬により巨大 な財を成していた。しかし彼はその代償として、テオシンテに渦巻く権力と暴力、そして決して逃れられぬ巨竜の思念に翻弄されていく――。 〈竜のグリオール〉シリーズ、唯一の長篇にして最終作。
  • タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    巨竜、起動 数千年の眠りからグリオールが目醒めるとき、世界は一変する 数千年前に魔法使いとの戦いに敗れた巨竜グリオール。 彼は全長1マイルにおよぶ巨体は、草木と土におおわれ川が流れ、その上には村までもができている。 周囲に住むひとびとは、時が経ち観光地化した彼の恩恵を受けているが、 その一方で巨竜の邪悪な霊気に操られているとも言われている――。 グリオールの鱗(うろこ)を触っていた男と娼婦がタイムスリップする表題作、 死した巨竜の頭蓋骨がひとびとを翻弄し運命を狂わせてゆく傑作奇想譚「スカル」の初邦訳2篇を収録。 その昔、グリオールという動けぬ巨竜がいた。 彼は空を飛ぶことを夢見ていたのかもしれない――。 解説:池澤春菜 【収録作品一覧】 「タボリンの鱗」(“The Taborin Scale”/2010) ※二〇一一年度ローカス賞最優秀ノヴェラ部門候補作 ●初訳 「スカル」(“The Skull”/2012) ※二〇一三年度世界幻想文学大賞最優秀ノヴェラ部門候補作 ●初訳
  • 竜のグリオールに絵を描いた男
    3.5
    1巻1,210円 (税込)
    あまりにも巨大な竜グリオール 彼の上には川が流れ村があり、その体内では四季が巡る “舞台”は動かぬ巨竜 唯一無二のシリーズ短篇集が遂に日本初刊行 初邦訳1篇、初収録2篇を含む全4篇を収録 全長1マイルにもおよぶ、巨大な竜グリオール。 数千年前に魔法使いとの戦いに敗れた彼はもはや動けず、 体は草木と土におおわれ川が流れ、その上には村ができている。 しかし、周囲に住むひとびとは彼の強大な思念に操られ、 決して逃れることはできない――。 奇想天外な方法で竜を殺そうとする男の生涯を描いた表題作、 グリオールの体内に囚われた女が見る異形の世界「鱗狩人の美しき娘」、 巨竜が産み落とした宝石を巡る法廷ミステリ「始祖の石」、 初邦訳の竜の女と粗野な男の異類婚姻譚「嘘つきの館」。 ローカス賞を受賞したほか、数々の賞にノミネートされた、異なる魅力を持つ4篇を収録。 動かぬ巨竜を“舞台"にした傑作ファンタジーシリーズ、日本初の短篇集。
  • タボリンの鱗 竜のグリオールシリーズ短篇集

    Posted by ブクログ

    竜のグリオールシリーズ2作目。今回は中編が2つ。怖ろしいけれど魅力的なグリオール。眠っていても、否、死んでいても周囲の人はグリオールに魅きつけられ、利用される。特にスカルという話では、アメリカ人の主人公がテマラグアを訪れての物語なので、現実世界とグリオールの世界が交わった気がする。今までは、中世の竜物語の延長で読んでいたので、不思議な気がした。

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    2020年05月22日
  • 竜のグリオールに絵を描いた男

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    特徴的なファンタジー作品を読むたびに、人間の想像力の面白さを感じるのですが、この『竜のグリオールに絵を描いた男』もそれを感じました。表題作もそうなのですが、「始祖の石」という短編の発想は特にすごい。竜と魔法の世界で、法廷ものの話が展開されるなんて思ってもみなかった(笑)
    そして、この作品集に共通する空気感も、またすごいのです。

    魔法の力によって数千年もの間、その場を動けなくなった竜のグリオール。やがて竜の身体は草木に覆われ、その身体には村ができるまでになります。しかしグリオールは死んだわけでなく、そのあまりにも巨大な力は、たとえ動けなくても、人々の思考に影響を与えることができるそうで……

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    2020年04月16日
  • 竜のグリオールに絵を描いた男

    Posted by ブクログ

    本の出版が最近なので、新しい作家かと思ったらデビューは1984年だった。日本で紹介された頃が、ちょうど私がSFをあまり読んでいなかった頃なので、初めて読んだ。竜が存在した世界。竜退治の魔法使いの力が及ばず、グリオールを殺すことが出来ず麻痺させるにとどめた世界。横たわったグリオールの上に植物が生え、危険な生物が棲みつき、それでもグリオールは数千年の間、意識を持って生き続けてきた。その邪悪な意思は、付近に住む人たちの心に影響を与える。この世界での4つの物語が収められている。表題作の絵を描くという発想もすごいけれど「鱗狩人の美しい娘」に出てくる竜の内部の描写が素晴らしい。神秘的で幻想的。蠱惑的。そし

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    2019年07月14日
  • 美しき血 竜のグリオールシリーズ

    Posted by ブクログ

    ほとんど死んでいる巨竜グリオールの血液から麻薬を作った男、ロザッハー。彼は麻薬王として巨万の富を築くのだがー。
    ロザッハーは悪人で幸福ではなかったが、長命であり晩年は平和だ。グリオールの恩寵をプラス方向に受けた人間だと思う。
    彼は記憶が数年おきに飛ぶ。これは記憶喪失中はオートで動いてて、必要な時だけグリオールが起こしているんだろうか。むしろ逆なのかも。

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    2023年12月17日
  • 竜のグリオールに絵を描いた男

    Posted by ブクログ

    ファンタジー。中・短編集。
    『ジャガー・ハンター』を読んだ時の印象と同じく、文学的。
    文学的な内面描写とファンタジーとの相性が良いかは疑問だが、特徴的な作風であることは確か。
    冒険小説的な要素の多い「鱗狩人の美しき娘」と、サスペンス調の「始祖の石」が好き。他2作も十分満足の出来。
    この作品に限らず、竹書房文庫の本は装丁がとても良い。
    美しいイラスト。肌触りも好み。

    0
    2023年01月05日

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