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ユーザーレビュー 交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史 デイヴィッド・ライク / 日向やよい 面白いです! 初等中等教育ではおそわることがまだない、人類史の最新の知見が述べられています。文字としては記録が残っていない「神話」の時代をDNA分析で探究するという興奮の試み。 印象的であったのは、インドの成り立ちと、ストーンヘンジへの推察。 発行から時間を経ているので、その後の研究成果を反映した改...続きを読む訂版を期待します。 通しで全編を丁寧に読むのは時間を要するので、忙しい方は、興味を抱く章だけを読むことがおすすめ。 Posted by ブクログ 交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史 デイヴィッド・ライク / 日向やよい 現世人類とネアンデルタール人が交雑していたというのは現代では有名な話だが、それを明らかにしたのは「古代DNA分析」という研究分野。その第一人者である著者が、古代DNA分析の仕組み、ヨーロッパ、インド、アメリカ、アジア、アフリカの各地域に住む人々の由来に関する最新の仮説、そして集団間の遺伝的差異(優劣...続きを読む)という極めてセンシティブな問題に対してどう向き合うべきかを論じる一冊。 人類が進化の樹形図のように枝分れして進化してきたという直感は実は誤りであり、現世人類を含む様々な人類がお互いに交雑を繰り返して現世人類に至っているという。「集団間の実質的な差異の発見という避けられない未来への正しい対処は、差異があっても(集団ではなく個人に注目することで)わたしたち自身の振る舞いはそれに左右されるべきではない」と説く。 Posted by ブクログ 交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史 デイヴィッド・ライク / 日向やよい 凄かった。 しっかりとした検証に裏打ちされた事細かなデータを自分のような一般の人にとても分かりやすく提示してくれる。 歴史や人種を形だけなぞるよりこういう本がもっと増えることを祈りたい。 その上で、じゃあ自分は何ができるんだろうと考えさせられた。 Posted by ブクログ 交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史 デイヴィッド・ライク / 日向やよい しばらく前に、ミトコンドリアイブという説が流行ったことがあった。それは、ミトコンドリアの遺伝子のみに着目した系統樹であったが、これは全DNAを対象とした人類の遺伝的変遷の研究における今日の到達点を書いたものである。 ミトコンドリアイブほど有名にならないのは、分かり易い結論を避けているためだろう。現生...続きを読む人類にも、若干のネアンデルタール人DNAが受け継がれているとか、単純なアフリカ起源説ーアフリカを出た現生人類の祖先がそれぞれの地域に散らばって独立して発展したーを否定するなど、それなりに影響のある説を提示している。 DNA解析による人類史の研究はまだ始まって間がなく、サンプル数も手法も限られている。ここに書かれたことが全て正しいとは言い切れないが、DNA研究が今後考古学に重大な影響を与えていくことは疑いない。著者自身が例えているように、炭素14法に匹敵する画期的な変革と言えるだろう。 この研究は、人種差別に対して、人類が皆交雑することによってできていること証明することによって打撃を与える。しかし、その一方、遺伝的に異なるエスニックグループは存在するという不都合な事実も明らかにする。 結局、知識は使い方次第なのである。 Posted by ブクログ 交雑する人類 古代DNAが解き明かす新サピエンス史 デイヴィッド・ライク / 日向やよい 旧人類と現生人類の交雑について知りたかったのだが、 ついていけなかった。 科学的な説明が難しいというではなく、 仮説を組み立てている論理展開に。 そして、自分が興味があったのは、 DNAが明らかにする人類の移動や交雑ではなく、 もっと文化的な交雑だったことに気が付いた。 カーストとジャーティとい...続きを読むう制度によって、 特定の集団内でしか結婚できなかったインドが、 遺伝学にとって重要な意味を持つのには、 ちょっと複雑な気持ちになった。 そして、アシュケナージュ系ユダヤ人社会では、 遺伝的に潜性遺伝病(以前の劣性遺伝子が引き起こす病気)を内包しているがゆえに、 高校生の遺伝子を調べてから、お見合いさせるという話にも、 複雑な気持ちになった。 また、奴隷としてアメリカ大陸に運ばれた際に、 船倉に詰め込まれ多くの人が亡くなったことは、 結果的に、 劣悪な環境でも生き残れる遺伝子を選別することになったのではないだろうか、 とふと考えてしまった。 面白かったのは、 モンゴル帝国のたった一人の男性が、 その領土内に直系の男系子孫を何百万人も残したことがわかったこと。 断言はされていないが、それはチンギスハンでしょ。 Posted by ブクログ デイヴィッド・ライクのレビューをもっと見る