1900年代初頭までのクラシック音楽史を、「オーケストラ」という観点からまとめた1冊。翻訳の方がよく訳してくださっていて、非常に読みやすかったです。
楽器の発明&開発、メロディとハーモニー、歴史背景、美学に触れそうな領域などなど、様々な側面からのアプローチが上手くまとまっていました。
具体的に作品
...続きを読む名を挙げて解説されているので、楽器の名前と音の特徴、有名どころの作曲家のオペラと交響曲がすぐに浮かばないと置いていかれちゃいます。
私も現代に近づくにつれ危うくなりました…
ベートーヴェンが頂点で、19世紀後半あたりでオケはカンストしたという考え方は賛否両論だとは思いますが、今のクラシック音楽の生き残り方(ベッカーに言わせれば貯金を切り崩しながら行き長らえている)を見てみると、一理あるのかも。
時代の節目節目での芸術の捉え方の変化に言及されている点が興味深かったです。
最終章で聴衆にも触れられていて、ここから読み広げていくと楽しいです。というか、最終章が一番よかった。