作品一覧

  • 海月館水葬夜話
    3.7
    1巻682円 (税込)
    遠田湊には「秘密」がある――。美しい海月の姿をした海神信仰の根付く穏やかな港町で、湊は司書として働いている。と同時に、幼なじみの凪と暮らす海月館で、家業を手伝ってもいる。死者たちの後悔を紐解き、海に還すのだ。今宵もまた、さまよえる魂がひとり――。それはやがて、静かな町で起きた凄惨な通り魔事件の暗部に繋がり!? 哀しくも優しい葬送のミステリー!
  • 天才遺体修復人M この夜の果てで、君を葬送る。
    -
    1巻704円 (税込)
    どんな遺体もまるで生きているかのように復元できる天才遺体修復人『M』。 彼はこの世ならざる光を見、死者の言葉を聞き取るという。 が、ある理由で資格を剥奪された。 それでも依頼は途切れることはない――。 専門学校で葬儀学を専攻する葉山ケイトは、事故死した父がMの施術を受けたことがきっかけで彼を探し始める。 百合の花を目印に出会ったふたりを待つ運命は……。 この生の先にあるものは何なのか―― 切なくも美しい感動作。
  • 海月館水葬夜話

    Posted by ブクログ

    暗くて深い、青い海底。
    救いのような、呪いのような、約束。
    どんな形をしていても、自分が思うものであるならそれでいい。
    この一度きりで良い。

    海の底の地獄は、きっと優しい場所。

    雨が降るから晴れ空の美しさを知り、
    晴れ空があるから、雨の優しさを知る。

    春雨の朝のようなお話。

    0
    2021年03月21日
  • 海月館水葬夜話

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    その町の人は海神様より命をいただき、死して海神様への元へと還る。
    そんな信仰がまだ根強く残る港町での死者との交流、と言っていいのか。
    未練があって海神様の元へ還れずにいる死者の後悔を晴らす手伝いをしている湊。
    ただその晴らす後悔の先には、容赦ない現実があって、なかなか心を抉ってくる。
    身内を裏切ってまで愛する人を手に入れたのに、その人は実は……
    血まみれの彼女が望んでいたことは、実は……
    作中2話は本当に結構容赦がない。

    中には、感動系の話もある。
    はとこの話は美しい情景描写も相まって、胸打たれる話となっている。
    双子の話も、兄の本当の想いを知ると、景色が反転するのが見事。

    主人公の湊自身

    0
    2020年08月01日
  • 海月館水葬夜話

    Posted by ブクログ

    言葉で説明すると、結構暗めでホラーに近いミステリーで伝わるかもしれませんが、東堂さんの繊細で美しい文章・描写で怖さが緩和されたように感じました。

    全4章+αの連作短編集です。それぞれ海月館に訪問する死者がなぜ後悔の念に囚われているのか?
    主人公・湊が穏やかに解決していきます。
    読み進めていくと、湊と何かしら繋がりがある人ばかり登場するのですが、最後の方になると、さすがに繋がりすぎなのではとツッコミを入れたくなってしまいました。
    それぐらい多くの人物が登場します。死者達の哀しみや怒り、痛みがヒシヒシと伝わり、切なすぎる気持ちにもなりました。

    全体的に哀しくもあり、切なくもあり、残酷な内容でも

    0
    2020年07月26日

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