別に科学分野に明るくなくとも、女性(特に女の子)をエンパワーしてくれる本。科学者、というだけあって取り上げられている人には近現代の人が多い。それ以前の時代にも女性科学者はいたと思うが、更級日記の”菅原孝標女”のように、才があっても名前が残らなかったのかもしれない。
各科学者の略歴を読むと、とにかく
...続きを読む『女子は正規の教育を受けられなかったので…』とか『功績を横取りされ…』とか『女性は正規職員になれず…』のワードが頻出し、悲しくなる。『キャプテンマーベル』の映画で、周囲がダンバースの心を折ろうとしてくるのと同じだ。その逆境下で、彼女らの凄まじい努力や冒険心によってまた凄まじい成果を得ていることに素直に励まされる。
特に核酸の結晶構造解析で実質的に二重らせん構造を明らかにしていたロザリンド・フランクリンの業績は今すぐに生物の教科書に乗せるべきと感じた。ワトソンやクリックは細文字にしてよいから、フランクリンの名前は太文字で記してほしい。