ALL ABOUTで紳士靴記事を書いておられる飯野さんの著作。
最初から最後まで革靴に対する心からの愛情を感じました。
「嗜む」という表現が著者の思い入れの深さを表しています。
骨の構造や靴の構造、そしてドレスコードに合わせた靴、手入れの仕方など、これ一冊で革靴のことを深く理解することができま
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革靴に今まで頓着したことがなかったのですが、最近素晴らしい靴を履いてみて初めてその素晴らしさに気付きました。
安物買いの銭失いにならないよう、またブランドだけを追いかけるのではなく、自分に合った靴を選びたいなら必読の一冊です。
以下印象に残った文章
・服飾全体に「ファッション」などの外来語がもっぱら用いられ、「身嗜み」なる素晴らしい表現が使われなくなって久しいのですが、この傾向は今日の装い、特に男性の装いがそれらの要素の欠如した、いわば薄情で浮わついた自立性のない存在でしかないのを露呈している象徴の感もあり、少々寂しいものがあります。
また、その根本には、多くの「ファッション」関係者を含め、身嗜みを唯一絶対的に支配する「ルール」としか捉えていないがゆえに、それを反射的に敬遠している「幼さ」が隠れているのではないでしょうか。だからそれを「コワす」「ハズす」ことでしか自己を表現できないのです。
身嗜みとは、十分な思索を通じ、時と場に応じて最適解を導くための指針=「マナー」であってほしいものです。