衝撃、レシピ本の作り方本。
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おいしい、と感じるのは舌をはじめとした五感だが、おいしそう、と感じるのには舌はいらない。
当たり前だが、あらためて感じる次弟である。
本書は、タイトルの通り「おいしさを伝えるレシピの書き方」、そう、レシピ本ではなくて、レシピの書き方本、なのだ。
例え
...続きを読むば、「○人分」と付記すること。
例えば、肉の部位や形状を記すこと。
例えば、どんな状態になったら「よく煮えた」なのかを示すこと。
カニ玉を例にしよう。
かに 100g
たけのこ 60g
しょうゆ 適量
砂糖 適量
などとあったとする。これに対するツッコミは、
どのようなかにをつかうかわかりません。
作り方でゆでていないので、ゆでたけのこでは?
適量だと、どれだけいれればいいのかわかりません。
などなど(実際はもっとレシピも細かくて、ツッコミも詳しい)。
でも待てよ。わかりにくさを正しているが、おいしさは別に伝わらないかな…などと思うなかれ。
料理名の付け方が示されている。
ポイントとなる材料、特徴、アレンジなど。たとえば、「肉じゃが」ではなく「カレー風味肉じゃが(これのことをただの肉じゃがとは書かないだろうが)」。
状態を表現する。「ふんわりオムレツ」「白菜のくたくた煮」など。
おいしそうな写真の撮り方。光を当てる、アングルを決める、主役が引き立つように…
レシピの書き方本なんだけど、火加減、水の量といった料理の基本(というより、言葉で加減を伝えるための指標だね)が出ていたり、肉の部位ごとの特徴が記されていたりと、普通に料理をするためのベンチマークになりそうな気もした。
僕はレシピを書いて他者に公開するような経験がないが、作った料理には名前をつけている。くたくたとか具だくさんとか地中海とか、いわば料理ポエムとでも言えるだろうが、そういう名前をつけてしまいたいな〜と、柄にもなく思うのだった。