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3.51918年に創業した洋酒バー「サンボア(SAMBOA BAR)」。独自の暖簾分け制度により大阪、京都、東京に14店を展開する稀有なバーの100年史を辿る初の1冊。 サンボアの前身は1918年、神戸・花隈の地に開業した「岡西ミルクホール」。オーナーの岡西繁一が北原白秋の編んだ文芸誌「ザムボア(朱欒)」から名前を拝借し、店名を「サンボア」に改称、そこからサンボアの歴史が始まった。この命名には、関東大震災に遭い、神戸に居を移していた谷崎潤一郎が一役買ったという説もある。 その後、岡西の下で修業を積み、店を受け継いだ者たちが大阪、京都にそれぞれのサンボアを出店、独立を果たす。戦時中、家屋疎開に遭ったり、出征時の休業を余儀なくされながらも店は奇跡的に守り抜かれた。 現在、創業者・岡西繁一から直接暖簾を継いだ3つの家系の3代目と、それぞれのサンボアで修行した者たちの計12名のマスターが「サンボア」を名乗り、14店の「サンボア」を営んでいる。残された貴重な資料と関係者への取材に基づき、それぞれのサンボアの歴史、店を立ち上げ、店を背負ったマスターたちの思い、著者の半生を辿るなかで、京阪神の戦前・戦後史、日本のバー文化史が見えてくる。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
「企業寿命は30年」と言われる。
業界が凡そ30年単位で縮小や再編され、
その余波を受け、事業が傾きやすいことに
起因している。その説に従えば、大正7年に
創業の洋酒バー「サンボア」は戦争という
事業存亡の最大の危機をぐぐり抜け、
戦後の混乱期も乗り越え、大阪・京都・東京
に14店を展開する、今や日本を代表する
稀有なオーセンティックバーに至っている。
本書は、創業の地 神戸・花隈(現 北長狭通)に
開業したサンボアの前身「岡西ミルクホール」
のオーナー岡西繁一の足跡をたどるところから
始まる。大正12年、店名をサンボアに改称。
北原白秋編集の文芸誌「ザムボア(朱欒)」から
拝借。この命名に -
Posted by ブクログ
せっかく近畿に住んでるんだから、という気持ちで手に取った。流して読んだが結構面白かった。100年の歴史は伊達ではない。
大学生の頃、寺町通にある京都サンボアの前を通る度に「さすがにここはよう入らへんなー」と思っていた。堂島サンボアの名前は知っていたが場所も知らなかった。東京にもあること、発祥は神戸なことも全然知らなかった。
大阪出張と同時に読み始めたので大阪にある8店を巡ってみた。毎回ハイボールを飲んでいると、途中でサンボアのハイボールが美味いことに気付いた。今までハイボールは居酒屋で糖質を気にしてビールの代わりに飲んでただけで、美味いとは思ってなかった(居酒屋で飲むビールも本当には美味しくな