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  • ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学
    4.0
    1巻3,080円 (税込)
    「ラテンアメリカを訪れた私は、麻薬産業の恐ろしい供給面を目撃することになった。そして、麻薬密売について書けば書くほど、麻薬ビジネスが組織的なグローバル・ビジネスと酷似していることに気づきはじめた…蒸し暑い独房で一味の支配する縄張りの広さを私に自慢したエルサルバドルの極悪ギャングのボスは、まるで合併を発表するCEOのような口ぶりで、抗争中のギャング間の手打ちについて陳腐な台詞を並べた。コカを栽培するボリビアの無骨な農民は、まるで商業園芸家のような自負と専門知識をひけらかしながら、自身の植物について興奮気味に話した。…世界じゅうの麻薬産業を調べるにつけ、麻薬ビジネスを一般企業と同列に論じたらいったいどうなるだろうかと、ますます興味が湧いてきた。その集大成がこの本というわけだ」「麻薬カルテルの運営を理解すれば、麻薬カルテルが繰り出す次の一手を予測し、税金や人命を無駄にすることなく企みを阻止しやすくなる。本書は麻薬王向けのビジネス・マニュアルであると同時に、彼らに勝つための攻略マニュアルでもあるのだ」(本文より)地を這う取材と最新の学術成果を結び付け、麻薬取引を、経済学的、経営学的に分析した初のノンフィクション。「ウェインライトは、楽しくかつ精緻な筆致で、驚くほど儲かる洗練されたビジネス企業という、麻薬カルテルの内情を暴き出している。本書を読めば、麻薬取引をまったく異なる視点から、より現実的に把握できるだろう。必読だ」――モイセス・ナイム(『権力の終焉』)「本書は、麻薬をめぐる暴力が無鉄砲なものではなく、経済的計算が極端に残酷化した結果であることを示している。……麻薬対策法の改革についての、もっとも簡潔かつ説得的な議論だ」――『ニューヨーク・タイムズ』紙「粘り強い取材と学術的研究の調査に基づいた、才気煥発かつ魅力的な本だ」――『ウォールストリート・ジャーナル』紙
  • ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学

    Posted by ブクログ

    北米大陸を中心に,麻薬ビジネスの実態と各国の取り組み,著者の主張が綴られている.

    この本が面白いのは麻薬ビジネスの分析に経済学や経営学の視点を取り入れたことだ.
    実際麻薬ビジネスはサプライチェーン管理や人材のリクルーティングなど一般企業が執り行う経営課題をグローバル規模で取り組み巨額な収益を上げている.
    また時にはそれら収益を使った社会公共的な事業も行う(教会を作るなど).市民の支持を得ることが彼らのビジネスの成功につながるからだ.

    これを読むとマフィアと国家や民間企業との線引きがよくわからなくなる.どの組織も組織や地域を束ね,事業を行い,暴力(軍隊もこれに含む)を抑止力とし,目的の達成を

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    2021年12月10日
  • ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学

    Posted by ブクログ

    麻薬の生産、流通、消費を経済学、経営学の視点から分析してみよう。という本…だと思います。
    経済学が提供するツールの汎用性と有用性にはいつも驚かされますね。

    麻薬産業を一般的な産業と同じ眼鏡で見てみると、同じところと違うところが際立って見えますね。
    わたし的には紛争解決の手段の違いが面白かったです。
    雇用契約や独占禁止といった法的な規範が経済活動をうまく回すために機能していることが分かりました。
    これらの手段に頼れない麻薬産業ではむき出しの暴力や忠誠といったものに頼らざるを得ません。
    一方でオンラインマーケットなどの市場原理が導入されると、供給側のサービスを含めた製品の質が向上するようです(8

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    2019年06月18日
  • ハッパノミクス――麻薬カルテルの経済学

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「麻薬カルテルのボスとグローバル企業のCEOが考えることはよく似ている」という発想が面白い。たしかに、サプライチェーン、人材獲得、オフショアリング、ネット販売など、リアル産業と裏産業には共通点らしきものが見える。
    その上で、著者は、現在各国が採る麻薬対策、特に供給面、具体的には生産国や経由・密輸国への対策よりも、需要面、つまり消費国における啓蒙や更生プログラムに資金を投じたり、、場合によっては麻薬の合法化など消費面の規制の枠組みを見直した方がずっと効果的であるとする。これも経済学的なアプローチとして興味深い。
    麻薬問題に対する正しい政策が何なのか、答えは容易には見出せないが、経済学の視点から解

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    2018年05月12日

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