ダヴィンチの絵の技術、表現を基調として、歴史的事実や手記を補足して彼の生涯とそれを取り巻くフィレンツェ、ローマの政治芸術環境を描き出している。
ダヴィンチの性格としては凝り性かつ移り気であり、若い時から期日どおおり完成させることは稀であるが、下絵ベースですら(特に聖ヒエロニムス、アンギリアーリの戦い
...続きを読む)、全く新しい表現の切り口と技術を表現している。元が私生児であり、正式な古典教育を受けていないため、ロレンツォ・メディチのフィレンツェではボッティチェリのような古典を再解釈した知的な寓意を表現せず、またパトロンと語れなかったため評価はされず、ミラノに軍事家としていき、パーティプランナーをやったる。
ウィトルウィウス的人体図に表現されるように、彼は解剖を繰り返し、人体というものを当時最も理解した一人であり、おそらくは神ではなく人間そのものに世界の秘密があると考えたと思われる。絵画表現はその世界の法則を表現するためであり、スフマートも実際の視覚を表現するために編み出されたものである。
著者はモナリザは個人を書いた人物画を超越した生涯手を入れ続けた作品であり、それが何かにはあまりこだわっていないが、最近の調査ではヴァザーリ説で有力じゃないかと提示している。