素敵な物語に出合えました。
主人公のアレックは、本好きが高じて授業中にも隠れて本を読むほど。
校長にこれ以上続けるなら、補習プログラムに参加させると警告されます。
学校では授業に集中して、放課後ゆっくり本を読める、と思ったのもつかの間、親の仕事の関係で、放課後も3時間、学校の放課後プログラムに参加
...続きを読むさせられてしまいます。
宿題班、スポーツ班、文化班。どこにもアレックが本を自由に読んで過ごせる場所がありません。
2名以上いればクラブを立ち上げられる。それなら自分で作ってしまおう!でも、入会希望者が来たら静かに読書できなくなる、とようやく1名引き込んで「負け組クラブ」という、誰も入りたくなくなるような名前で立ち上げるのです。
現実世界は、面倒なことがいっぱいだと思っていて、人とのかかわりを持とうとしないアレックでしたが、徐々に入会希望者が増え、煩わしさを断ち切るために作ったのに、一緒にクラブを立ち上げたニーナという女の子の存在も気になり始め、苦手だった人付き合いなどで頭を悩ませることに。
最後の放課後プログラムクラブ発表でのアレックの言葉に、思わず「そうそう!よく言った!」と拍手を送りたくなりました。
本の世界の奥深さ、思春期への入口で感じる不思議な感覚など、とてもみずみずしく描かれていて、ぐいぐい引き込まれました。
読書クラブで本の面白さを共有できる仲間がいるのは素晴らしい。
この本の中で子どもたちが読んでいる本のタイトルがいくつも出ているのですが、実際に出版されている本なので、そちらにも興味が湧きました。
最後のページに出てきた本のタイトルのリストがついています。