作品一覧

  • 流線形の考古学 速度・身体・会社・国家
    4.0
    1巻1,320円 (税込)
    20世紀前半、。自動車や飛行機に始まり日用品や家電品まで「流線形」は工業デザインとして一世を風靡する。物理学に発するこの言葉は、「障害因子」「ムダなもの全般」を取り除いた優秀さの係数として読み替えられ、価値評価の絶対的基準になっていく。健康神話、ファッションから社会進化論、果ては排外的国家主義へと「純化」の方向に向けて世界を煽る根幹の記号となった「流線形」が席巻した時代とは?
  • 流線形の考古学 速度・身体・会社・国家

    Posted by ブクログ

    本来は空気力学の概念である「流線形」が一種の流行語として、大衆文化に取り込まれ、本来の文脈から見れば、とんでもないような「意味」を獲得していく過程を考察する。アメリカ、ドイツ、日本の例が取り上げられているが、殊に興味深いのはアメリカの例。ちなみに背表紙に書かれている惹句は、ほとんどアメリカのことである。
    アメリカで起きたことは、流体の抵抗を最小化する流線形が、すべての無駄や抵抗を排除する合理主義のアイコンに、さらには優生思想に繋がっていく過程が鳥瞰される。流線形とファスナーの関係だとか、優れたものは美しいからと、美人コンテストに優生思想家が参加していたなんて、エピソードは興味深い。
    小さなモノ

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    2021年09月08日

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