カルミネ・アバーテの作品一覧

「カルミネ・アバーテ」の「ふたつの海のあいだで」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ふたつの海のあいだで
    3.5
    1巻2,090円 (税込)
    ティレニア海とイオニア海を見下ろす場所に、かつて存在した《いちじくの館》。焼失したこの宿の再建を目指す祖父と孫を中心とする数世代にわたる旅は、時に交差し、時に分かれて、荒々しくも美しい軌跡を描いてゆく――。豊饒なイメージと響き渡るポリフォニー。イタリアの注目作家による、土地に深く根差した強靱な物語。
  • ふたつの海のあいだで

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    イタリア南部カラブリア。
    ふたつの海に接する村にはかつていちじくの宿という宿があった。その再建を目指す祖父といつの間にかそれに引き込まれていく主人公。

    章ごとに「~の旅」と区切られているけれど、それは旅路の果てに根ざした土地ー故郷がある、そういうことかもしれない。

    土地に根ざした家族の物語。

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    2018年03月29日
  • ふたつの海のあいだで

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    「詰め物をしたナス、辛味のペペロナータ(パプリカの炒め煮)、土鍋で煮込んだインゲン豆にソラ豆にヒヨコ豆、ラザーニャか、ヤギや仔ヒツジのミートソースで味付けした手打ちパスタ、シーラ山地特産のアニスで風味をつけたリコッタチーズ入りラヴィオリ。そして、お祖母ちゃんの自慢料理もあった。ポテトとズッキーニを添えたムール貝、カボチャの花のフライ、そしてカブの芽のオレッキエッテ(耳たぶの形をした小さなパスタ)」

    イタリアを描いた小説らしく、料理の名前がこれでもか、というくらい次々出てくるので参った。こういうのをフード・テロというのか。特に大好きなトリッパ(牛の胃)まで登場すると俄然食べたくなって困った。い

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    2017年04月03日
  • ふたつの海のあいだで

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    “村は夏のにおいを放ってた。うだるような熱風が、まるで生暖かい水糊のように肌にねっとりと貼りつくの…”母さんが語る、若かりし頃の祖父の旅で物語は幕を開ける。
    この旅でフロリアン少年の二人の祖父、ジョルジュ・ベッルーシとハンス・ホイマンは出会うのだ。
    不遜な眼差しと強靭な意志を持つ二人は、まだ若く何者でもない時に、偶然共にした短い旅の中で互いに友情を見いだす。

    二人を“おじいちゃん”と親しげに呼ぶこともできず遠い存在に感じるフロリアンは、ベッルーシや母の狂気とも思えるほどの夢 ー先祖から伝わる、かつては栄華を誇った宿場であり、今や焼失して廃墟となった“いちじくの館”を再建する ー を徐々に理解

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    2024年02月23日
  • ふたつの海のあいだで

    Posted by ブクログ

    昔デュマが立ち寄り手稿を置いて行ったイタリア南部の旅館、いちじくの館。消失してしまった館の再建を試みるジョルジュ・ベッルーシは、いがみあう一族に復讐し逮捕されてします。年を取り釈放されたジョルジュ・ベッルーシは再び館の再建に乗り出す。
    イオニア海とティレニア海から吹きあがる風のように熱烈な人生を、孫のフロリアンの眼を通して描いていく。

    北の民族と南の民族。そんな違いが実感できない日本人にとって、こだわりが不思議な気持ちさえする。
    後半の老いた男たちの友情がカッコいい!!

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    2017年05月07日

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