「リスク・コミュニケーション」とは不都合な真実をどのように伝えるかの手段のことです。
ただ真実を伝えるのではなく、綿密な準備から、フォローまで、考え抜いて実行するべきであると著者は説きます。
また、人は物事を感情やイメージで判断し、それからゆっくりと情報を理解する、という行動経済学の視点から、相
...続きを読む手を説得することが重要ではなく、相手が腑に落ちるような情報にデザイン・加工して提供することが重要である、とも。
不都合な真実を伝える場面は、少ないように思われますが、最も危険なのは、危機感なく発信してしまう情報。
誰でも発信・受信できる、一見すると素晴らしい時代になりました。
しかしながら、それと同時に正しくない、ふさわしくない情報も流れる時代となりました。
発信する側として気をつけるべきことをこの本では密に書かれておりますが、受け取り手の読解力、すなわちここで書かれているような、自分がイメージや感情先行で情報を消化していないかどうか、改めて考え直すきっかけにもなると感じました。