エーネ リールの作品一覧

「エーネ リール」の「樹脂」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 樹脂
    3.4
    1巻1,760円 (税込)
    人里離れた半島で、森に囲まれて暮らす一家。何度もつらい喪失を経験した父親は、もうこれ以上は愛するものを奪われまいと決意して、あるとき幼い娘が死んだと偽りの報告をする。そして娘を隠して育てはじめるが……デンマークの注目作家が著した傑作長篇登場
  • 樹脂

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    ネタバレ

    子供の死という父親としての最悪の不幸を経験した時、自分がどのような精神状態に陥るかは想像もできない。イェンスの状態は、本書の帯のように狂気と言えるのかもしれないが、同時に、十分にありうる、もっというと極めて自然な反応だとも思えた。外部を遮断し、残った妻と娘とだけ心を許す。娘との絆はどんどん深くなりつつ、深くなりすぎて、自分の悲しみまでもを、子供に押し付けてしまう。子供はそれをけなげに自然に受けとめようとする。それがどんどん、いびつな世界となっていく。

    0
    2020年08月25日
  • 樹脂

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    デンマークの片田舎。本島と地峡で繋がる離れ小島〈頭[ホーエド]〉に住む唯一の家族、ホーダー家。廃品を素材に使った大工仕事を得意とする父イェンスと太り過ぎだが優しい母マリアの元で、娘のリウは学校に行かず父と共に夜な夜な森で狩りをしながら暮らしていた。しかし、本島に移住していた父方の祖母エルセが帰ってきて状況は一変。閉鎖的だが満ち足りた家族の日常をエルセが壊そうとしたとき、イェンスはリウを伴って凶行に走る。何一つ失くしたくないというイェンスの執着が暴走し、静かな狂気に包まれたホーダー家は救われるのか。家をゴミ屋敷にしてしまう人の心理に迫ったデンマーク発のスリラー。


    タイトルの『樹脂』は作中でイ

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    2020年12月07日
  • 樹脂

    Posted by ブクログ

    読みやすい、全体的にゾワゾワ気持ち悪い
    最後に「ああ、よかった」と思わせといて、本当の最後の最後にギャーっ!!ってなります。
    サスペンスというよりはホラー。
    映像では見たくない。

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    2017年10月22日
  • 樹脂

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    不気味な…とても不気味で恐い。
    デンマークの僻地に住む一家族の物語。

    双子の弟は死んでいて祖母のせいだと父は思っている。
    クリスマスに父は祖母を殺す。
    母は、まったく動かなくなり巨大化していく。
    父と娘は町へ出ては盗みを繰り返す。
    学校も行かず死んだことにされる娘。
    ゴミ屋敷化していくその家のそのあとは…。

    もう、閉塞感しかない家で希望だとか夢だとかはいっさいないのが、ある意味凄いとしか言えない。
    樹脂の意味を考えてしまったほどに…。



    0
    2023年05月17日
  • 樹脂

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    よもや2作続けての父親の狂気を題材とする物語を読むことになるとは。

    デンマークのとある島のそのまた離島、”頭(ホーエド)”の奥地に世間から隠れるように暮らす一家。
    クリスマスイブに父親のイェンスは娘リウの目の前で祖母を枕で窒息死させ、庭で焼いてしまう。
    「闇は痛みを取り去るから大丈夫」と早速の狂気を見せつつもリウはそれをすっと受け入れている。

    なんなの!?この不穏さ。
    サイコファミリーの話か?と思うも、リウの反応は他者との関わりが極端にない世界で生きてきたが故の素直さによるもの。
    父のイェンスが、これでもかというくらい心の平衡を失っていく物語。

    どんなものにも価値があるという信念から、家

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    2022年12月10日

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