オーストリア経済学なるものがあるのですね。考えとしては、ナシーム・ニコラス・タレブの反脆弱性がピッタリ合う思想です。経済は人間の行動による集合体であるから、経済そのものは生き物である。すなわち、変動する生き物を無理やり抑え込もうとすると、より大きな災害に合うという考えです。
投資手法としては
①ダ
...続きを読むウンサイドが小さく、アップサイドが大きい時に投資する
② オフェンシブとディフェンシブの切り替え
ここまでの内容はハワード・マークスやナシーム・ニコラス・タレブ、ダンドーの本でも重要性を多く語られていますが、スピッツナーゲルの本書ではここに市場プロセスと時間軸の概念を多分に盛り込んでいます。
経済と時間軸のプロセス、人間に時間選考に対する行動を写真でいう被写界深度を比喩でもってくるのは面白いですね。
中でも孫氏の教えから『柔で剛を制す』『右へいくためにあえて左にいく』は、ハワード・マークスの20の教えにはないあらたな教えとなりました。すなわち、先の大きな利益を得る為には、積極的に目の前の損失(ヘッジ戦略)をとりにいくということです。
しかし本書の投資方法である
・ミーゼス流戦略
・オーストリア流投資法Ⅰ
・オーストリア流投資法Ⅱ
の3つが紹介されたのですが、Ⅱを実践するのは非常にハードル高いですね。Ⅰに関しては、ちょっと勉強して実践してみようかと思います。世界(戦略)は広いな~と感じた1冊であると同時に、なぜにブラックスワン的な考えをする人の著書は、こうも回りくどいのかw