ガエル ファイユの作品一覧

「ガエル ファイユ」の「ちいさな国で」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • ちいさな国で
    3.8
    1巻990円 (税込)
    アフリカにあるちいさな国、ブルンジ。仲間たちとマンゴーをくすねたり、家族でドライブしたり、少年ギャビーは幸せな日々を送っていた。 しかし、初の大統領選挙をきっかけに民族対立が激化し、内戦が勃発する。親戚や知り合いが次々と消息を絶ち、平穏な生活は音を立てて崩れていく……。 フランスで活躍するアフリカ生まれのラッパーが、自らの生い立ちをもとにつづった感動作! 高校生が選ぶゴンクール賞、Fnac小説賞、第24回日仏翻訳文学受賞作。解説/くぼたのぞみ
  • ちいさな国で

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    宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』。堀辰雄の『風立ちぬ』。夏目漱石の『夢十夜』。連城三紀彦の『戻り川心中』等々。
    文章の美しさが印象的な作品はいくつかあるのですが、この『小さな国で』の文章も、それらの名作と同じくらい印象に残ります。

    本編である少年時代の回想に入る前に、語られるギャビーの追憶。自身と似た境遇の難民へ抱いた想い。故国を逃れたことによる居場所の無さ。
    その文章の詩的な儚さと美しさに魅せられると共に、その語りの奥に秘められた哀しさが、自分の中の琴線に静かに触れてくるような、そんな感覚を覚えます。

    『ちいさな国で』の著者、ガエル・ファイユはブルンジ共和国出身。ブルンジという国はこの小説を読

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    2020年07月24日
  • ちいさな国で

    Posted by ブクログ

    フランスの高校生はすごい。
    高校生が選ぶゴンクール賞を受賞した本作は、「ある秘密」同様、戦争のやるせなさと、痛いほどの悲しみを描く。これは、こういうのを読まないと本当に戦争に反対できないなと、そう思った。

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    2023年12月15日
  • ちいさな国で

    Posted by ブクログ

    アフリカのブルンジ、おそらく初めて思いを馳せた国だと思う。
    ルワンダの虐殺だけではなく、隣国ブルンジでもツチとフツの争いが起きていたことに驚いた。
    人と人が争うことの醜さ。愛する人を失うことの受け入れ難さ。戦争が現実となった今、読まれるべき本だと心から思う。

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    2022年06月24日
  • ちいさな国で

    Posted by ブクログ

    舞台のブルンジは初めて名前をきく国だった。ホテル・ルワンダも映像としての衝撃があったけど、この小説は、特にお母さんの言動を通じて当事者としての体験が生生しく感じられる。
    中立に、平和主義で、事なかれ主義でいたい性格の主人公が、殺伐としていく状況から逃げたいけどどうしようもなく紛争に絡め取られていく様子が丁寧に描かれてた。少年時代とその喪失、家族の問題、特権階級として存在する白人たち、そして民族対立の憎悪と狂気と悲しみ。色んな要素がぐるぐると混ざり合う。主人公と同じく読者も、それらに翻弄されながら受け止めるしかない。できることとして、遠い異国の痛ましい話に関心を寄せ、心を寄せ、支援できることがあ

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    2021年11月04日
  • ちいさな国で

    Posted by ブクログ

    ブルンジ共和国でフランス人の父とルワンダ難民のツチ族の母の間に生まれた少年ギャビーの日常とそれを襲ったルワンダ大虐殺と内戦を描いた作品。そもそも無知すぎて作品背景についての知識があまりなかったので勉強になった。
    第二次世界大戦下イギリスの少年の日常を描いたロバート・ウェストールの『機関銃要塞の少年たち』を思い出したけど、大人から独立してドイツ兵を匿う子どもたちとは違って、自ら内戦に飲み込まれて子ども時代を奪われていく子どもたちの描写が苦しかった。その描写が瑞々しくあればあるほど。

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    2021年08月18日

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