作品一覧

  • 情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて

    Posted by ブクログ

    MITの「メディアラボらしい」本でした。仮にこの本の著者がわからず読んでも、「メディアラボ」の人が書いたのでは?と思わせるような臭いを発していました。本書は通常の経済成長・経済発展理論の本とは全く異なり、経済学、物理学、情報学のような複数の分野にまたがる非常に興味深い視野を提供してくれています。あえて経済学との関係で言えば、ヒダルゴ氏も述べているように、産業連関表を確立した経済学者ワシリー・レオンチェフのエッセンスを持っていると言えるかもしれません。経済発展理論の正統派(ソロー、ローマー、ルーカスの流れ)は、マクロの集計値(GDP等)を使って経済成長を説明しようとしますが、レオンチェフの産業連

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    2023年04月30日
  • 情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて

    Posted by ブクログ

    物理と情報理論から経済社会構造の枠組みを探るアイディア。
    エントロピーが増大していく中で、なぜ経済や社会が発展しているのか。それは物理的に安定した個体ができる環境で、個体が非平衡的運動を様々に生じさせるような温度環境(地球のような)がある。そこに情報が蓄えられ、さらに様々な個体が生じる。そしてそれらを促すような計算が出来る主体(分子、生物)が生じることが前提条件。
    さらに経済社会を生み出すには人、社会のネットワークが情報をより多く保持し、計算していかないと複雑な個体を生み出すこと8できない。車を生み出すには多くに人のネットワークとそこに蓄積されるノウハウが必要。これは人を集めたからといって生じ

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    2017年10月07日
  • 情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて

    Posted by ブクログ

    ケビンケリーのテクニウムの話と通じるところがあると感じた。物質が持つ、計算能力。情報とは秩序。最後の章がまとめになっていて、理解の一助となった。

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    2018年01月21日
  • 情報と秩序 原子から経済までを動かす根本原理を求めて

    Posted by ブクログ

    本来、情報は物理的なものだ。ボルツマンの原子やその運動エネルギーと同じくらい、物理的な意味を持つのだ。確かに、情報は触れない。固体でも液体でもない。情報の粒子があるわけでもない。それでも、同じく固有の粒子を持たない運動や温度と同じくらい物理的なものだ。情報は実体を持たないが、いつでも物理的に具象化されている。情報はモノではない。むしろ、物理的なモノの「配列」、つまり物理的秩序といえる。p19

    経済とは、人々が知識やノウハウを蓄積して物理的秩序(つまり製品)を生み出し、知識やノウハウ、ひいては情報をいっそう蓄積していく能力を増強するためのシステムなのである。p35

    人間はコミュニケーションの

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    2017年07月08日

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