作品一覧

  • ビリー・リンの永遠の一日
    3.6
    1巻2,530円 (税込)
    イラク戦争のさなか、一時帰国して戦意昂揚のためのショーに駆り出された兵士たち。過酷な戦場の現実と、政治やメディアの滑稽な狂騒の、その途方もない隔絶。テロや戦争の絶えない現代アメリカの姿を、若き兵士の視点から描く傑作長篇。全米批評家協会賞受賞。
  • ビリー・リンの永遠の一日

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    ものすごく面白かった。
    と言ってしまうと、あまりに平凡で身もふたもないのだが、それ以外に言葉が見つからないぐらい、面白かった。
    全編「おふざけ」がちりばめられている。「ミリオンダラー・ベイビー」のオスカー女優、ヒラリー・スワンクとデスティニー・チャイルドなんて、いったい何度名前が登場しただろうか(彼女らは自分の名が使われることを承知したのかしら)?わたしにはわからなかった「あの人」もたくさんきっと出ているのだろう。そこに、いかにも若い男の子たちらしいお下品な会話がポンポン飛び交う。電車で読んでいると、時にほっぺの内側を噛んでにやけ防止をしたくらいだ。
    …それなのに、行間のどこにも「死」のイメー

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    2017年02月14日
  • ビリー・リンの永遠の一日

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    ネタバレ

    「アメリカ人は子供なのだ。大胆で、誇り高く、自信たっぷりの。」

    中東で兵士として戦った19歳の主人公の数日が400頁にわたって描かれている。

    あちこちに招かれてヒーローとして扱われる主人公たち、
    主人公たちを招く側のアメリカのセレブ達、
    彼らを主人公にして映画を作ろうと意気込む人物。。

    現代の日本人とは戦争の捉え方がまったく違っていて
    日本では映画が公開延期中だそうだけど映画を観れば
    多少アメリカを理解できるのではないかと思う。
    ぜひ公開してほしいなぁ…。

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    2017年07月07日
  • ビリー・リンの永遠の一日

    Posted by ブクログ

    これって、早い話が人格形成小説(ビルドゥングスロマン)だよね?年若い青年が周囲の人々の影響を受けて、自己を作り上げてゆくことを主題とする。ヘッセやマンとちがうのは、これがたった一日の出来事を中心に書かれているってこと。雪混じりの感謝祭の日にテキサススタジアムで行われる、ダラス・カウボーイズとシカゴ・ベアーズのアメリカン・フットボールの試合会場が舞台。

    で、なんで一日かというと、ビリーっていうんだけど、この主人公。陸軍の二等兵で、イラク戦争で手柄を立てて勲章を二つも貰い、ただいま仲間のブラボー分隊と一緒にご褒美の「勝利の凱旋」旅行中。二週間かけて、アメリカ各地を回ってきて、いよいよ今日が最終日

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    2017年02月25日
  • ビリー・リンの永遠の一日

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    イラク帰還兵が、アメリカ的なものを一杯詰め込んだものを見たら、あまりに醜悪で俗悪でした。

    そんな私たちもこちら側で生きてる。
    クソだ。

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    2020年10月11日
  • ビリー・リンの永遠の一日

    Posted by ブクログ

     若い兵士のビリー・リンは、イラクの戦闘で英雄的な働きをしたため、小隊全員で凱旋帰国させてもらった。NFLの試合でハーフタイムショーに招待され、ヒーローインタビューだ。招待席に戻っても、握手を求められ、讃えられるかと思えば、喧嘩騒ぎも起こしてしまう。1週間後には前線に送還され、戦争に戻る不安定さがそうさせるのだろうか。
     英雄的な戦闘では、友を亡くしている。次の戦闘では自分が戦死するかもしれない。でも、今は酔った頭でビヨンセが歌い踊るのを目の前に見ている。自分たちをモデルにした映画ビジネスの話も持ち上がっている。全てアメリカの現実だ。
     アメリカで、社会的に取り残されたものを待っている現実だ。

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    2017年12月18日

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