作品一覧
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4.3
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
古本で購入。
副題に「明・清全史」とあるとおり、元の分解後の明による統一から清に衰退の兆しが現れる19世紀初頭までを概説する。
本書の特徴は、まえがきにもあるが、黄河・長江流域を中心とした「シナ」と満洲・モンゴル・チベット・新彊をも包含する「中国」を明確に分けていること。
その前提に立って、明清時代の歴史を「シナから中国へ」の歴史とする。
シナにおける南北の関係、つまりほとんど常に北シナが南シナに対して政治的優位を保ち支配してきたことについての考察がおもしろい。
北シナではモンゴル高原の遊牧民族と平野部の農耕民族との間に貿易があり、市が開かれていた。
定期的だった市が常設の市場になり、その -
Posted by ブクログ
タイトルに「紫禁城」が入っているので、北京にある正面に天安門が聳える「紫禁城」について詳細が記されているものと期待して購入したら、だいぶ趣が違った。
サブタイトルにもあるように、「明・清全史」であり、しかもかなり詳細に各王朝の成立過程から性格、滅亡まで書かれているのだ。筆者は明・清の歴史を「シナから中国へ」の歴史であると言っている。
他民族国家である中国を、概念的な区分として、
チベット・新疆・モンゴル・満洲・北シナ・南シナ
に分け、明朝は北シナ、南シナの国、清朝はこれらの地域すべてを包括的に取り込んで、現在の中国とほぼ同じような領域に勢力を拡大した王朝であるとしている。
多くの