作品一覧 2022/04/28更新 インディアスの破壊についての簡潔な報告 試し読み フォロー 第二のデモクラテス 戦争の正当原因についての対話 試し読み フォロー 1~2件目 / 2件<<<1・・・・・・・・・>>> 染田秀藤の作品をすべて見る
ユーザーレビュー インディアスの破壊についての簡潔な報告 ラス・カサス / 染田秀藤 これがキリスト教の本質。異民族は人として扱わない。イエスの思想とどれだけ乖離していることか。そして現在も本質は同一であり、末端の信徒はお気の毒としか言いようが無い。 Posted by ブクログ インディアスの破壊についての簡潔な報告 ラス・カサス / 染田秀藤 インディアスの人々は悪意や二心を持たない。きわめて恭順で忠実な民。謙虚で辛抱強く温厚でおとなしく、争いや騒動を好まない。口論したり、不満を抱いたりすることもなく、怨みや憎しみ、復讐する気持ちを抱くこともない。インディアスの人々は身体が細くて華奢で、ひ弱なため、重労働に耐えられず、病気に罹るとたちまち...続きを読むに死んでしまう。キリスト教徒(スペイン人)はそうしたインディアスの人々を男女・子ども合わせて1200万以上、残虐非道な形で殺害した。インディアスの人々の方からキリスト教徒に害を加えたことは一度もなかった。インディアスの人々に神の存在を知らせ、キリスト教に導く絶好の機会だったのに、彼らから救いの光を奪ってしまった。カルロス5世陛下がこれら悪事を根絶され、神が陛下に授けられた新世界を救済なさることを期待する。ラス・カサス ※虐殺のあった地域。エスパニョーラ島(現ハイチ&ドミニカ共和国)、ジャマイカ、キューバ、ユカタン、グアテマラ、ニカラグア、ベネズエラ、ペルーなど。 **以下、閲覧注意** 首枷をはめて重い荷物を背負わせ、疲れたり気を失ったりすると、鎖を外すのが面倒なので、首筋辺りに剣を振り下ろし首を刎ねた。大勢の人の両手を切断し、それを縄に括り、横にわたした長い棒にぶら下げた。棒には70組の手がぶら下げられていた。大勢の女性や子どもの鼻を削ぎ落した。人々を殺してはその肉を猟犬のエサとして互いに売買した。 子どもや老人だけでなく、身重の女性や産後間もない女性までも、見つけ次第、腹を引き裂き、身体をずたずたに斬りきざんだ。母親から乳飲み子を奪い取り、その子の足をつかんで岩に頭を叩きつけたキリスト教徒もいた。絞首台を組立て救世主と12名の使徒を称え崇めるためだと言って、13人ずつ1組にして絞首台に吊り下げ、足元に薪を置き、それに火をつけて彼らを焼き殺したキリスト教徒もいた。ある邪悪なキリスト教徒はひとりの娘を犯そうと思い、彼女を無理やり連れ去ろうとしたが、母親が娘の手を放さなかった。すると彼は剣で母親の手を切り落とした。しかし娘は言いなりなろうとしなかったため、娘を剣でめった突きにして殺した。 ※ラス・カサス『インディアスの破壊についての簡潔な報告』1552 ※日本。豊臣秀吉、九州平定の折、キリスト教徒が九州で寺社の破壊や日本人の貧民を奴隷にして海外に売りさばいていることを知る。同年、キリスト教宣教師追放令を発布、キリスト教の布教を禁止した。1587 *高知にスペインの軍船(ガレオン船)が漂着。スペインの軍船の水先案内人が口を滑らせる。「スペイン国王はまず宣教師を現地に送り込んで布教させてから征服する」。サンフェリペ号事件1596 Posted by ブクログ インディアスの破壊についての簡潔な報告 ラス・カサス / 染田秀藤 人はケダモノ同様の「獣性」を内在しているということを嫌というほど見せられた。。 生命は「永遠」であることと、宇宙に「法」があることを信じたい。 Posted by ブクログ インディアスの破壊についての簡潔な報告 ラス・カサス / 染田秀藤 酷すぎる話で、これにより中南米は無茶苦茶にされ、その影響は今に及んでいると理解すべきだと思う。 それでもこういう話は例えば日本の安土桃山の末期にもあっただろう。 つまり、罪を犯した人間の子孫は、いつまでもその責を負わざるを得ないのだと。何で、いつまで私達が対応しないといけないのか?という疑問ももっと...続きを読むもなようで、でもやはりそれに値する重罪を犯したんだ、ご先祖さまたちは。過去からの恩恵も罪も背負ってこその現在なんだと。 Posted by ブクログ 第二のデモクラテス 戦争の正当原因についての対話 セプールベダ / 染田秀藤 「生まれながらにして他人に服従しなければならないような人々は、もし他人の支配を拒否すれば、ほかに方法がない場合、武力で支配されるというものです。博識この上ない哲学者たちの見解によれば、その種の戦争も正当なのです。」(pp.103) 15世紀当時、スペインは新大陸(中南米)の征服事業をすすめていた...続きを読む。新大陸の先住民(インディオ)たちは、戦争で敗れ、財産は奪われ、奴隷として酷使され、次々と死んでいった。 「非人道的だ」とラス・カサスなどから非難の声があがる中、「スペインの征服事業はキリスト教的に何の非もない」との結論を唱えたのが本著。 結論ありきで、自分に都合の良い言説(または既往文献の都合の良い解釈)を以て結論の正当性を主張し、反対意見には「不勉強や見識不足」であるとレッテルを貼る。 こういう論法を多用する人は良くいる。そういう方の考え方の一端を知れたので、有意義な一冊だった。 Posted by ブクログ 染田秀藤のレビューをもっと見る