作品一覧
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3.8
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
■空港の需要予測は他の交通需要予測でも広く使われている四段階推定法という手法で行われる。考え方は明瞭かつ論理的ですばらしいが,結果を大きく外し続けたのは明らか。
①人口増加やGDP(国内総生産)の成長などから,どこでどれくらい交通が発生するか
②それを各地域に分けると,どこからどこへどのくらい人が移動するか
③その移動を各交通機関でどのくらい分担するか,
④各交通機関のどのルートがどの程度使われるか
を推定し,最終的に個別の施設の利用者数などを予測する。
■元々の想定需要が高過ぎて地域の期待や営業目標が潜在的な実力に対して高過ぎる。
■ジェット機が飛び始めた昭和30年代から空港の騒音問題が深刻 -
Posted by ブクログ
関西国際空港の経営権売却(コンセッション)にかかわった元官僚による本。最初の3章で空港経営の要点、日本の空港や関空が抱えている問題を総説し、後半の3章で関空伊丹経営統合からコンセッションまでを語る。空港や民間「風」経営の問題点にかかわる総説には的確ながらさほど新味はないが、実際のコンセッションまでのプロセスについては、あまり具体的な話は書けない部分もあるだろうが、「中の人」が書いただけにたいへん臨場感のあるエピソードが多い。また空港という単なる民間企業ではない公共的な性格の強い、ある意味特殊な施設の運営は新鮮でもある。むしろ民間の企業経営の性質を違う立場から照らし出しているようにも読める。
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Posted by ブクログ
国交省出身の著者が、自ら携わった関空会社の運営権売却の一部始終をまとめたもの。1つのプロジェクトを最前線で取り仕切った臨場感が伝わってくるようです。
逆に、タイトルの「空港は誰が動かしているのか」は運営権売却の話を楽しむための知識を得る位置づけで冒頭に纏められているに過ぎないというか。エアライン好きとしては、どちらでも楽しく読めたのでかまいません(笑
関空会社サイドの視点でプロジェクトが総括されていて、どのような障壁があったのか、どう対処したのか、何を学んだ/得たのか等が結構生々しくまとまっています。著者なりの今後の関空運営へのエールなのかもしれないし、プロジェクトでのアドバイザー他の方への