本当に医者の側から書いてくれないとわからない、知らないことたくさんあった。
人は必ず病気になるがゆえに、健康番組や「名医」ランキングといった類のものが後を絶たない。
確かに、我が国の医療制度は先進国でもトップレベルを牽引してきたという、国民レベルの自負がどこかにあるのではないか。
「外国の病院に
...続きを読む行かんでも◯◯病院に行けば〜」というふうに。
しかし、同時に「医療不信」や少子高齢化社会に伴う医療保険制度の崩壊の予兆、アジア諸国の医療水準の上昇など、問題は山積。
健康番組や雑誌ではどうしても取り上げられない医者と患者側双方のわだかまりも含めて、元NHK記者山口大学医学部を経て現在ベトナムで医師をされている野田一成氏が日本の医療を解いて行く。
読んでて、医者にも患者にもやはり問題がたくさんあった。
医者も患者もやはり普通の人間。
どんなにいい制度や技術であっても、使いこなせないと意味が無いし、変なところに固執しないことが肝心。
大学病院の方が早く治りそうな気がするし、名医に執刀してほしいし、すぐに点滴打ってほしいし、すぐにMRIをとってほしいと願う患者。
「気持ち」を受け取る医者の複雑な気持ち。大学医学部から大学病院でそのまま社会人な世間知らずな医者。
いろんなところに半透明な壁があるかのよう。
2025年問題を控えて、我が国のr医療制度や保険制度は待った無しの改革を迫られている。このままでは確実に崩壊するからだ。しかし、相変わらずの薬や診療検査の無駄遣いが絶えず、医療費は高まるばかり。
死にかける前に事前に延命治療の有無を話し合ったり、介護士や技能士に活躍の場を与えたり、混合治療の制度改革などまだまだやれることはあるはずだと野田氏はおっしゃってました。
上手な医者へのかかり方を、常に心がけようと思えるきっかけになる本でした。