京都におわします、数多の神仏…その縁起とともに、なぜ神仏が神仏たりうるのかを説明する。
京都の地理には明るくないが、著者とともに、各人物にお参りしているような気分になれる。
しかし、少し独特な雰囲気を持つ語り口が、私には少し苦手だった。
東京と京都の雰囲気の違いは面白い。
例えば東京都特別区内であ
...続きを読むっても、神社仏閣が多い場所はあるし、有名なところもあるが、あまり、寺社に対して、さん付けをするようなことはしない。
例えば、東京では日枝神社のようにナントカ神社、東京大神宮ならそのままの名称で呼ぶが、京都では安井金比羅宮を金比羅さんというように。
また、祭られる仏神が、もとは怨霊で、それを鎮めるために祀り、その後、縁起が少し変えられて、現代に馴染むようにしているというのも面白い。
子供の神については、捨てられた子、殺された子という背景がある。
その子たちを祀る場所に行った時は、深く祈ろうと思った。
生まれなかった子への愛を込めて。
民間信仰は母子神に対するものが多いそうだ。
きっと、母子が亡くなることが多かったからだろう。
人が祈ること、その元々の意味、感情を感じた。