題の通り、相手のボディランゲージから心理を読み取る術を教える本。専門用語などの難解な語彙や表現はなく、平易な文章で終始一貫している。とても読みやすい。
人見知りで神経質で人との会話において一抹の恐怖心を抱くような人に強くオススメしたい。
本書は人との会話におけるサバイバル方法を授けてくれるも
...続きを読むのである。しかし知識というものは往々にして杓子定規で使われてしまう。ある人が特定の動作をしたからと言って、その人がその動作に呼応する感情を抱いているとは決して言い切れない。筆者自身も幾度も警告している。
にもかかわらず、本書で得た知識を一義的に用いて仕舞えば、最悪の場合、人間関係の破滅という事態を免れない。
ボディランゲージは前後のコンテクストを把握した上で適切に見定めなければならないと筆者は再三警告している。つまり、相手の動作に注目する際は、会話の流れにおいて相手のボディランゲージがどのように変化したのかに意識しなければならないのである。初対面で人と会話する場合、少なからず相手は緊張しているであろうし、その状況が就職面接であればなおのことだ。
そうした文脈を無視し相手の動作を短絡的に推し量る行為は、正確な判断を遠ざけるだけでなく、相手を誤解してしまう可能性もある。特定の動作がどの原因に起因するものなのかを観察者は見極めねばなるまい。そしてそのためには冷静が必要である。
本書は読むだけでは価値を生まない。実践を幾度も繰り返しスキルを身につけて、ようやくその真価を発揮するのだ。
繰り返すが、決して頭ごなしに相手を断定してはいけないのである。