作品一覧 2016/03/19更新 Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 試し読み フォロー 1~1件目 / 1件<<<1・・・・・・・・・>>> アルビン・E・ロスの作品をすべて見る
ユーザーレビュー Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・E・ロス / 櫻井祐子 本書は2012年にノーベル経済学賞を受賞したアルビン・ロス氏によるマッチメイキングとマーケットデザインの入門書になります。価格の調整だけですべての参加者が納得するような市場はコモディティ市場と呼ばれていて、小麦などがその例になりますが、多くの市場では価格という「見えざる手」だけでは売り買いを調整でき...続きを読むない市場がたくさんあり、そこではマーケットをデザインする(エンジニアリングする)必要があるのです。つまり市場の失敗を、人間の叡智で解決していこう、という実践的な領域だと言えます。本書では、「市場の厚み」「混雑への対応」「安心そして簡単に利用できること」をマーケットデザインの要諦としていて、これは最近のプラットフォーム企業にとっても非常に重要な視点だと思いました。 経済学を理論経済と実証経済という風に2つに分類することありますが、本書の内容は両方を網羅していることになります。つまり、まず仮説(理論)を構築し、それを実際に導入してうまくいくかを見る、ダメなら仮説を修正して再度実践する、というスパイラル的な動きです。その意味では、工学分野のエンジニアのように経済学者も世の中に役立つのだ、ということを示す領域だと言えるでしょう。リーマンショック後、混乱を引き起こした諸悪の根源として経済学をみるような風潮も生まれましたが、経済学すべてが悪いわけではなく、人間理解を深める中で経済学の知識を正しく使えば、本書で示されているように人々の生活を向上させることができるのです。 さすがにノーベル賞を受賞した方だけあって、各所に含蓄を感じましたし、初心者にもわかりやすいように本書は書かれていると思います。一番印象的だったのは、著者が市場を言語のアナロジーとして議論している点です。市場も言語も、人間の社会生活をスムーズに進めるために人間が生み出したもので、時代が変わればそれに適応するように変わっていく必要があるのでしょう。 Posted by ブクログ Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・E・ロス / 櫻井祐子 マーケットデザインの分野で2012年にノーベル経済学賞を受賞したアルビン・E・ロスの本。臓器の交換移植や学校選択のアルゴリズムが紹介されている。ゲール・シャプレーメカニズムはNHKのオイコノミアでも紹介されている。 Posted by ブクログ Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・E・ロス / 櫻井祐子 今まで漠然と、概念として知っていたこと。 どうしたらもっと良くなるのだろう。 そういった疑問の幾つかを、この本は解決してくれた。 「一人の臓器提供者から、臓器を求める複数の人たちに提供する方法。」 「合コンパーティーのような形で、男女が互いに、第一希望第二希望・・・第N希望を出し合った時、誰もが...続きを読む納得する方法」 この方法の素晴らしいところは、パソコンに「この方法でマッチングを行う」と、予め入力さえしておけば、参加者が自分の希望を出し次第、直ぐに処理してくれる。 とにかく早いのだ。世の中には無駄なマッチングで溢れてる。そのせいで不幸になる多くの人がいる。 今後、様々なケースに適したマッチング方法が確立され、広がっていくことを予感させる、未来が楽しみになる本だ。 Posted by ブクログ Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・E・ロス / 櫻井祐子 価格では需要と供給が一致しない市場の存在。臓器移植の患者とドナー、研修医と病院プログラム、人気企業への就職、公立学校の割り振りなど。そうした市場にある、抜けがけ、混雑などの問題、ネットやコンピュータの利便性や処理速度によって拡大している一方、最適・効率的なマッチメイキングを目指すマーケットデザインの...続きを読む工夫もITを通じてなされていることが分かる。 現実の役に立つ経済学だと感じるが、例えば人気企業への就職でも双方のグループとも相手方の十分かつ平等な情報を持ってはいないし、結局のところ就職・採用してみて改めて分かること・変化することもありうるので、最適はモデルでしかないとも感じる。 16-85 Posted by ブクログ Who Gets What(フー・ゲッツ・ホワット) ―マッチメイキングとマーケットデザインの新しい経済学 アルビン・E・ロス / 櫻井祐子 経済学者はこれまで市場を所与とし、そのふるまいを研究してきたが、これからは市場の設計に関与できることを具体例(臓器交換、学校選択)で詳細に示している。日本での大学新卒の就活に関して、本書の知見を活かして、学生、会社双方にとって効率的にならないか?と考えた。 Posted by ブクログ アルビン・E・ロスのレビューをもっと見る